衆院選 鹿児島2区 激戦向け、最後の準備

選挙戦を控え準備に追われる立候補予定者の事務所

5陣営、いざ出陣へ

 第50回衆院選は15日、公示される。決戦を翌日に控えた14日、鹿児島2区立候補予定者の5陣営は、出陣に向けて日程調整や配布するはがきのチェックなど、最後の準備に追われていた。

 2区は、無所属前職の三反園訓氏(66)、比例九州選出で自民前職の保岡宏武氏(51)、共産新人の松崎真琴氏(66)、日本維新の会新人の辻健太郎氏(38)、参政党新人の矢竹ゆかり氏(61)の5人が出馬を予定している。

 激戦が見込まれる谷山地区のある事務所では、必勝のため書きや各種団体の推薦状が壁いっぱいに飾られ、本番に向けた動きも加速していた。スタッフらは推薦状の仕分け作業をしながら、次々と訪れる支援者と談笑。笑顔でエールを受け取っていた。

 陣営担当者は「急な解散で準備は大変。(遊説)日程もまだこれから。何とか間に合わせたい」と汗を流していた。厳しい戦いが想定される中、「選挙に入れば訴えていくことはこれまでと一緒。取り組みや公約を誠実に伝えていければ」と表情を引き締めていた。

 ある野党陣営では、地区2か所で行う出陣式の時間や街頭演説の候補地について各支部とやりとりしていた。野党では、与党への政治批判が高まる今回の選挙を追い風とみる向きもある。混乱の間隙を抜け、票を上積みしたい考えだ。

 陣営幹部は「早期解散で党利党略の選挙。能登半島災害の予算を組むこともなく、裏金問題もうやむやで、国民は置き去りだ」と現政権に対する怒りは収まらない。ただ、2区は5人が乱立し混戦の様相を呈している。「保守も分裂し票の行方は分からない。比例を軸に九州・沖縄で目標の議席確保につなげたい」と期待する。

 一方、鹿児島市小松原に住む41歳女性は「石破政権をみていると政治に対する不満は募るばかり。口だけでなく本当に良くしてくれる人を選びたい。物価高騰の対策だけでも優先してほしい」と注文を付けていた。同東谷山の72歳男性は「年金生活では苦しさも増すばかり。明るい未来が感じられない。もっと国民を見て真剣に取り組む政治をしてほしい」と辛らつな表情で訴えていた。

 5陣営は15日、鹿児島市各地で第一声を上げ、街頭演説などを通して、舌戦を繰り広げていく。