サシバ観察でオンライン交流

長野と奄美大島の児童がサシバを通して交流を深めた(11日、龍郷小学校)

子育てと渡り学び合う
長野県・木島平小と龍郷小

 龍郷町の龍郷小学校(住友智光校長、児童18人)と長野県下高井郡の木島平小学校(児童209人)は11日、両校をオンラインでつなぎ、「サシバ交流学習」をした。木島平小は、春から秋にかけてスギなどの木に巣を作り子育てする様子、龍郷小は春・秋の渡りや冬の生活ぶりなどを報告し合い、謎の残るサシバの生態について互いに学び交流を深めた。

 絶滅危惧Ⅱ類に指定されている小型の猛禽(もうきん)類サシバは、本土各地の里山で繁殖・子育てを行い、9月下旬頃にかけて奄美大島に渡ってくる。翌年4月頃まで越冬する個体も多く、龍郷小では、その中の1羽に「サッシ―」という名前を付けるなど観察を続けてきた。

 交流会では、双方が観察記録や研究内容を発表。木島平小は子育てについて▽アカマツやスギなどの針葉樹に巣をつくる▽朝4時頃から夜8時頃まで活動▽田んぼや草地で狩りをする▽一番好きなのはアマガエルとトノサマガエル。ヘビも餌にする―などと話した。

 龍郷小が、(3月に研究者グループがGPSをつけて放った個体を含む)7羽をこの日観察したと報告すると、木島平の児童から歓声が上がった。奄美大島では、トカゲ、バッタなどの昆虫類が主な食べ物になることなども説明された。

 ひなの成長を見守った木島平の児童から、「奄美に渡ったひなは餌を食べるようになっているか」と心配する声があり、「大丈夫です」との答えにほっとする表情も見られた。

 6年の岩崎透君(12)は「ヘビを食べることなど知らないことばかりだった。生き残るため、巣からひなを落とすと聞き驚いた。長い距離を飛び、戻ってきたサシバをいたわる気持ちで観察を続けたい」と話した。