ナリをトングで入れてのリレー
約10㌔を担いでの力走(円内はイノシシに見立てた袋)
応援合戦を制した瀬戸内チーム
若い世代の参加者も目立った(宝探しゲームで)
【東京】東京奄美会(宮地正治会長、泰良宗男幹事長)は13日、北区の東十条小学校(齊藤浩雄校長)で「第126期・東京奄美会総会・大運動会」を開催した。夏日となる青空の下、若い世代の奄美出身者や鹿児島県人会から約700人が参加。6チームに分かれ競技や応援合戦を繰り広げた。5年ぶりの熱い戦いは沖洲・与論が見事優勝、準優勝は瀬戸内、3位には名瀬・住用・大和・宇検が入った。
同運動会は、東京奄美会の主催で芸能祭と交互に行われている。前回はコロナ禍により、2019年に。その前も悪天候で体育館での開催だったため、晴天では、10年ぶりとなった。郷土遥拝の後、江浪まつみ事務局長の司会で総会が開幕。晴れ晴れとした表情で宮地会長は「青雲の志を抱いて上京した魂と勇気を結晶し、奮闘してほしい」とあいさつした。会計報告、監査報告などが順調に終了。齊藤校長は「歴代の校長から、歴史と伝統のある運動会に協力をと受け継いでおります」と笑顔で語り掛けた。
開会式終了後、島口ラジオ体操を皮切りに競技がスタート。50㍍徒競走、年代別リレーなどのほか、背負ったかごにナリ(ソテツの実)をトングで入れてのリレーや、ナリを使った玉入れ、イノシシに見立てた約10㌔の袋をつなぐ「ヤマシー(いのしし)担ぎ競争」など奄美群島ならではの競技も。各選手が歓声や拍手を背に激走した。優勝した沖洲・与論の直野健次さんは「一致団結した結果、最高です」と感激していた。
橋本隆世(りゅうせい)さん(足立区加平小3年)は、小野津出身の父・隆雄さんと足立区出身の母・佐和さんと参加。喜界・笠利・龍郷チームで10㌔を担いで渡した。「重かったけど、うまくつながった」と胸を張り「50㌢のカスミアジを釣ったよ」と喜界島での夏の思い出も披露した。
大綱引きの熱気と興奮が最後のリレーに受け継がれ、会場はボルテージも上昇。全員での六調で頂点に。井上脩士顧問の万歳三唱で閉幕した。鹿児島県人会連合会として初参加した伊地知芳浩県東京事務所所長は「奄美の人たちの郷土愛は素晴らしいですね」と振り返った。
4位は笠利・喜界・龍郷、5位は徳之島、6位は鹿児島県人会となった。東京奄美会の役員は「今日のような若い人たちが、郷友会に来てくれるようになれば」と期待していた。