採石巡り「今解決したい」

安田市長に請願書を手渡す戸玉集落住民たち

戸玉集落 住民が市長に請願書提出
搬出港移転、環境回復求め

 奄美市住用町の戸玉集落(浦口一弘区長)住民は16日、奄美市役所を訪れ、採石事業を巡る「山間港湾(戸玉地区)から辺野古埋立て用土砂等の搬出に反対する請願書」を安田壮平市長に手渡した。

 請願書では、沖縄県名護市辺野古の代替施設建設事業に伴う奄美大島での土砂搬出の候補地に、戸玉地区、山間港湾山間地区の2港が上がっていることを踏まえ、新たな土砂搬出に反対した上で、積み出しを戸玉港から山間港に比重を移すよう国や県に進言すること、自然・生活環境を回復し、改修で相当規模の予算と期間が見込まれる戸玉港については廃港を視野に整備計画を検討することの2項目を求めた。

 浦口区長は、採石事業で30年以上にわたり騒音や粉じん、振動などの被害に苦しみ続ける近隣住民の生活環境や、老朽化で利用が危険視される戸玉港の現状、2月の市長視察以降に新たな進展や報告がないことなどを疑問視。「戸玉集落には百害あって一利なし。いつまで続くのか」と主張。新たな土砂搬出も念頭に「今後15年、20年と続く可能性もあり、今のうちに解決したい。最後の戦いだと考えている。前向きに考えていただきたい」と強い口調で訴えた。

 安田市長は「国や県とやり取りし、少なくとも山間港を中心に搬出してもらえるように申し上げていきたい」と話し、改修計画については戸玉港、山間港の両港で検討している旨を伝えた上で、「戸玉集落にとってはいい方向に方針転換するよう考えてもらっている」と述べた。

 提出には同集落住民4人が同行し、安田市長、平田博行住用総合支所事務所長ら3人が立ち会った。同集落は20年にも採石事業拡大不認可を訴える陳情書を提出している。