西康範さんが撮影した「紫金山・アトラス彗星」(16日午後6時52分、大和村で)
西さん大和村で撮影、長い尾輝く
昨年発見されたばかりの「紫金山(しきんざん)・アトラス彗星(すいせい)」が地球に接近しているが、奄美でも観測された。16日夜に西康範さんが大和村で撮影、「ほうき星」と言われる通り長い尾が光り輝く姿を捉えている。
国立天文台によると、彗星は昨年1月、中国の紫金山天文台が最初に発見。翌月にも南アフリカにある小惑星の衝突警報システム「アトラス」の望遠鏡が確認したことから、「紫金山・アトラス彗星」と命名された。
地球に最接近した今月13日から全国で観測されるようになった。この頃から彗星の見かけの位置が太陽から離れて夕方の西の低い空で観測できるようになり、「16日頃から高度が上がって観測しやすくなる」(国立天文台)。26日まで観測できるという。
西さんが彗星を撮影したのは同村の西側に開けた場所。15日から撮影に取り組み2日目で捉えることができたという。「撮影時、下の方は真っ黒な雲がおびただしく覆っていたが、雲が途切れた間に、うまく彗星がはまった」と西さん。彗星の左側には金星も見えた。
国立天文台の説明では彗星は、氷(水、一酸化炭素、二酸化炭素などが凍ったもの)とダスト(ちり)が混じった天体。彗星が太陽に近づき、太陽の熱によって氷がガス(気体)になる(昇華する)ときに、ガス自体やダストが彗星から放出される。このような一連の現象を「彗星活動」としている。