県立博物館がやってきた

アオダイショウを首に巻いて笑顔で感触を確認する子どもたち(17日、大和村体育館)

ヘビとの触れ合い体験に列
大和村体育館

 鹿児島県立博物館の収蔵品5500点を身近に観覧できる「移動博物館」が17日、大和村思勝の同村体育館で始まった。初日は、村内全ての小中学校の児童・生徒が訪れ、生きたヘビとの触れ合い体験、液体窒素を使った科学実験などを楽しんだ。動物のはく製、恐竜の卵の化石、昆虫標本など、多彩な展示内容に子どもたちの興味は深まるばかりだった。20日まで。

 移動博物館は、地域の自然や環境について理解を深めてもらう目的で1995年から開催。22年は知名町(沖永良部島)、23年は与論町で実施した。展示は、化石・鉱物15点、動物はく製30点、世界の昆虫1770点、日本とフィリピンの貝3400点など合計5500点にのぼる。

 子どもたちは、ニホンジカ、キツネ、クマタカなど奄美大島では見ることのできないはく製の展示に目を見張り、アンモナイト、三葉虫、恐竜の卵の化石や鉱物に直接触れて、質感や重さを確かめていた。

 東京から1年前に引っ越してきたという今里小4年の長谷川海渡君(9)は「貝に興味がある。土盛海岸(奄美市笠利町)でタカラガイを集めることもある。山梨のジュエリーミュージアムを訪ねた時もきれいな貝がいっぱいあった」と話し、「初めて見るハヤブサ(はく製)がかっこよかった。早くルリカケスを見てみたい」と好奇心は尽きないようだった。

 生きたアオダイショウやシマヘビと触れ合えるコーナーには行列ができ、子どもたちは悲鳴を上げながら感触を確かめていた。

 大和小4年の福本大晟(たいせい)君(10)は「首に巻いたら冷たくて気持ちよかった。ぷにぷにだった」と笑顔を見せた。

 液体窒素を使った実験教室では、マイナス196度の超低温にさらされたバラやゴムボールが粉々になる様子を驚きの表情で体感した。

 晨原(あさはら)弘久教育長は「(地域の自然コーナーには)大和鉱山から発見され、1982年に新鉱物と発表された『原田石』も展示されている。切ると鮮やかな緑色が美しい鉱物。足を止め、たっぷり勉強してほしい」と話した。