衆院選は投開票まで1週間。後半戦へ突入する(鹿児島2区候補者の選挙ポスター掲示板)
衆院選は27日の投開票まで20日で1週間、後半戦へ突入する。県内4選挙区は計12人が立候補しており、最多の5人が争っている2区は保守分裂、野党乱立で混戦となっている。すでに3候補者が奄美入りしているが、週明けも2候補者が予定しており、街頭演説などを通し政策を訴える。終盤は2区選挙人名簿登録者の42・82%と4割強を占める大票田・鹿児島市谷山地区を重点にした活動で、特定の支持政党を持たない無党派層の取り込みも目指す。
2区に立候補しているのは、参政党新人で生命保険代理店個人事業主の矢竹ゆかり氏(61)、共産党新人で元県議の松崎真琴氏(66)、無所属前職で元知事の三反園訓氏(66)、日本維新の会新人でコンサルティング企業経営の辻健太郎氏(38)、自民党前職(比例九州)で党2区支部長の保岡宏武氏(51)=届け出順=。
ユーチューブ(動画投稿・閲覧サイト)で参政党を知り、政治に対しては「どこに投票しても同じ」と諦めていたが、同党の「国民目線でこれからの日本を変えていく」との姿勢に共感して入党したという矢竹氏。公示以降、県本土の選挙区内で遊説しているが、陣営によると23日に日帰りで奄美大島入りする予定。街頭演説などを通し党の政策を訴え浸透を目指す。奄美群島の議会で喜界町と与論町に同党所属の議員がおり、同行も計画している。「減税と積極財政により国民の暮らしを良くし、財政支援を海外に回すのではなく日本国民に対して行うといった訴えへの反応がいい。自民党には入れないという人々の期待を感じる」(県連・桜木隆志副会長)
公示日に鹿児島空港からの最終便で奄美大島入りと一番乗りした松崎氏。翌16日まで滞在し、2日間で計18回の街頭演説をこなした。毎日の活動で徹底することで党や自身が掲げる政策の浸透を図っている。比例九州ブロックにも重複立候補しているが、選挙活動も2区だけでなく九州一円で実施。公示前は福岡や佐賀でも、公示以降は宮崎、熊本両県を含む南九州で活動。「選挙カーに乗っているとすれ違う車からの視線、沿道の反応から手応えを感じている」と語り、2区は野党候補が乱立しているが「反自民を掲げる野党はどこか政策の中身で判断してほしい。政党戦略について分かりやすく中身を伝え、支持を広げていきたい」(松崎氏)
三反園氏は17日に奄美大島入り、2日間にわたって島内を遊説したが、市議会議長をはじめとした市議も同行し、街頭演説では応援演説も行った。三反園氏は「奄美市名瀬の永田橋交差点、郵便局前などでは多くの市民のみなさんが手を振り、激励もいただいた。元気と勇気をいただき『第二の故郷』という思いをさらに強くした」と振り返り、「お願いしたいのは、奄美のためにも奄美のことは私に任せていただきたいということ。国会議員として多くの人と会い対話を重ねてきたが、選挙戦でも草の根を徹底しており、最後まで貫きたい。私は世襲議員ではなくたたき上げ。地域のみなさんと思いを一つにして実績を築き上げていく」と語った。
「人生を懸けるなら故郷のために」と、強い思いでふるさとからの出馬を決めたという辻氏。奄美市で生まれ、県職員だった両親の転勤に伴い3歳から鹿児島市で育った。選挙区内での本格的な活動は解散以降と遅れたものの、デジタル技術の活用により「掲げている政策を多くのみなさんに視聴していただいている。出身地のみなさんも地元ということで関心を持っていただき、視聴者数の把握によって反応を感じている」。選挙戦では奄美大島には18日に入り街頭演説など行ったが、「多くの所に行き、多くのみなさんに知ってもらうことを心掛けている。簡単に勝てる選挙ではない。だが、これからの未来をつくり出す政策について具体的なアプローチをしっかり示し、支持を広げたい」と語った。
選挙区で初めての当選を目指している保岡氏。旧奄美群島区、旧鹿児島1区を地盤とした元法相・興治氏の長男で、同様に衆院議員を務めた祖父は宇検村出身だ。奄美入りは21日で、喜界島を訪れた後、奄美大島に向かう。遊説では島内5市町村を一巡する予定で、街頭演説を繰り返す。22日は名瀬港発の定期フェリーで徳之島に移動。3町を遊説し、街頭演説も行う。保岡氏は「『若さと情熱と実行力』『誠実 挑戦』といった姿勢を、日ごとに多くの方々に理解いただいている手応えを感じる」として、「厳しい戦いだが、陣営も士気高く、後半戦の奄美入りにつなげていく。挑戦者として、最後まで全身全霊全力で、全人格を懸けて戦う」との決意を示した。