英語版「島っ子ガイド」も大好評

英語版「島っ子ガイド」も大好評

猛練習して備えた英語での阿権小「島っ子ガイド」も好評だった=22日、伊仙町阿権


香港から大好きな日本の阿権小に体験入学したミーシャさんと両親

香港から阿権小に体験入学
家族ぐるみで交流

 【徳之島】伊仙町立阿権(あごん)小学校(安樂強校長・児童数16人)に21日から5日間の日程で、香港の小学生が両親と来島して体験入学し交流。日本の離島部の極小規模校の仲間たちと打ち解け合い、同小児童たちは英語版「島っ子ガイド」で足もとの歴史・文化・自然の魅力なども紹介した。国際都市と日本の離島部ローカルエリア間で心の国際交流の絆をつないでいる。

 児童は香港のジャパニーズ・インターナショナルスクール3年生のミーシャさん(9)。ともにチャイニーズ・インターナショナルスクール教師で父のライアン・ハマーさん(44)=米国出身=と母のシュウ・チュアン・アニタ・リウさん(48)=台湾出身=の3人。

 香港は公用語の中国語(広東語)と英語が中心だが、娘ミーシャさんは自ら進んで日本語も学習。一家で日本文化に浸ることに熱心とも。

 国境を越えての〝ダーツの矢〟が阿権小に立ったきっかけは、同小の下釜春奈教諭(31)の大学時代からの友人であるジャパニーズインターナショナルスクールの教師・里中そらさんからの打診。安樂校長も国際交流促進の観点から快諾。一家は念願の「日本の徳之島への文化の旅」を実現させた。

 ミーシャさんは21日から同小の複式学級(3・4年生)で通常の授業を体験。22日午前中は3~6年生12人の「島っ子ガイド」が、ハマーさん一家を招待して阿権名物のガジュマルの巨木、石垣群、古民家、神社などを英語で解説した。運動会後、担任の指導や翻訳ソフトで猛勉強して備えたというだけあって長文の大部分も暗唱で解説。ケンムンにまつわるユーモラスなクイズ、ハブの話の途中では模型のヘビも飛び出すサプライズも交え一家を楽しませた。

 23日の図工の時間は、父・ライアンさんを先生に、紙粘土のブローチ創作でも交流。24日の社会科ではともに町内のJA関連施設なども見学した。

 ミーシャさんは「私たちは典型的な観光地に行くのではなく、その土地に根付いた文化や歴史、土地の人々のライフスタイルを体験したいと思った」(要約)。ライアンさんとリウさんは「島っ子ガイドの準備と熱意に感銘を受けた。児童たちのプレゼンテーションは洞察力に富んでいて、特別な体験に。驚くべき献身的な姿勢は家族全員の心に響きました」と満足。

 そして「家族でNHKの『どこかの街』を見るのが好き。徳之島で同じ体験がしたかった。日本文化への関心は強く、いつか日本で暮らし、教えることを夢見ている」ともぽつり。

 児童の1人・町田琉奈さん(3年生)は、「英語での島っ子ガイドは難しかったが、練習をがんばり、自分の英語が伝わったのを感じてうれしくなった。ミーシャさんたちの喜ぶ顔が見られて良かった」と話していた。体験入学は25日まで。