民間委員を交え行われた「龍郷町男女共同参画推進懇話会」(24日、龍郷町役場)
「龍郷町男女共同参画推進総合計画」(2024~33年度)に基づく町の取り組みを町民代表と研究・協議する「推進懇話会」(隈元康子会長、委員11人)が24日、役場会議室であった。計画内容や、28年度までの進捗(しんちょく)管理計画が示され意見交換。町内2千人を対象とした意識調査の結果も報告され、職場・家庭・地域における現状と課題を共有した。委員5人と役場各課局の担当者が出席した。
計画は、「男女共同参画基本法」で地方公共団体に対し策定が義務化(市町村は努力義務)されている。同町は、14~23年の10か年計画の期限切れに伴い、奄美大島5市町村で協働し3月に新たな10か年計画を策定した。
23年8月に実施した住民意識調査は、18歳以上の町民2千人を対象に実施し有効回収数564(同率28・2%)。
男性の方が優遇されていると回答した割合が高かったのは、▽政治の場(79・3%)▽社会通念、慣習・しきたり(73・3%)▽家庭生活(58・7%)。平等とした回答が多かったのは、学校教育の場(71・3%)だった。
政治・行政についてのアンケートでは、女性町議や役場幹部・管理職に女性が少ないといった意見や、「女性の意見を町政に反映する努力を何もしていない」とする厳しい声もあった。
また、地域行事では男性優位を当たり前とする風潮が根強く、「次の世代に引き継ぎたくない文化」とする回答が男女の幅広い年代からあった。
町はこうした意見を踏まえ、161の事業で、男女の人権の尊重▽政策立案への共同参画▽制度・環境についての配慮―など七つの基本理念を踏まえた地域作りを目指す。
印南百合子・同町共同参画アドバイザーは「若い女性の労働市場への参加を進めるには、結婚・出産後も働き続けられる環境づくりが必要。男女共同参画の視点を全ての施策に盛り込み、30~40代の不満を解消することが望まれる」と話した。