大賞・横山さんらを表彰

大賞を受賞した横山陽一さん(左)と宮崎緑館長。後方は受賞作「けんむんの杜」(26日、田中一村記念美術館)

「けんむんの杜」幻想的に
奄美を描く美術展

「第23回奄美を描く美術展」(同実行委員会主催)の授賞式が26日、奄美市笠利町の県奄美パーク・田中一村記念美術館であった。奄美の森の幻想的なシーンを描き大賞を受賞した横山陽一さん(70)=神奈川県=ら入賞者8人が出席し表彰を受けた。横山さんは「大和村名音の豊年祭を見てイメージを膨らませた。奄美の自然や文化が描かせてくれた作品」と喜びを語った。

同展には、全国各地から117点の応募があり、審査の結果、入賞10点、入選50点が1日に発表されていた。

大賞作品は、奄美固有の植物に囲まれた森の奥で、チョウが飛び交い、相撲に興じる楽しそうなケンムンを描いた「けんむんの杜(もり)」(油彩・S15号)。横山さんは昨年も、オオタニワタリとケナガネズミを描き優秀賞を受賞している。

宮崎緑・同美術館館長は「年々レベルが上がり、作品を通して、作者の世界観・人生観が伝わってくる」と総評。審査員の久保井博彦・名瀬美術協会会長は横山さんの作品について「独自のスタイルで細部にこだわり、色調も鮮やかな秀作」と絶賛した。

約7年前から年2~3回ペースで奄美大島を訪れているという横山さんは、「昨年10月、名音集落の豊年祭で見たふんどし姿の男衆、土俵周りの人々、飛び交うアサギマダラやツマベニチョウ、その光景に自らのイメージをのせた。これからも奄美の自然・文化を描き続けたい」と話した。

受賞作品の展示は、同美術館企画展示室で11月4日まで。21~24日は、大和村防災センターで巡回展が行われる。