演説する候補者に拍手を送る支持者ら
第50回衆院選の投開票日を翌日に控えた26日、奄美群島を含む鹿児島2区の候補者5人とその陣営は、票の積み増しに向けて大票田の谷山地区を中心に駆け回った。候補者は曇天模様の空の下、街頭演説でマイクを握り「国政に送り届けていただきたい」「最後の後押しを」と訴え、最後のお願いに奔走。陣営は候補者を国政に押し上げるべく、遅くまで電話作戦などに力を注ぐなど、12日間の選挙戦を締めくくった。
鹿児島2区は、参政党新人の矢竹ゆかり氏(61)、共産党新人の松崎真琴氏(66)、無所属前職の三反園訓氏(66)、日本維新の会新人の辻健太郎氏(38)、自民党前職の保岡宏武氏(51)=届け出順=の5人が立候補。前職2人、新人3人が激しく争う。
「明るい谷山の未来、街づくりに取り組みたい。地元の代弁者として国政に送り届けていただきたい」。街頭でマイクを握った前職候補者は、子ども政策などの公約を訴え必死のPRを続けた。保守分裂が叫ばれる中、「私に任せていただければ時代が悪い、政治が悪いとは一切言わせない」とアピール。「一票でも上回れば勝ちは勝ち。谷山地区の皆さまの総力をいただきたい」と支持を呼び掛けていた。
ある前職候補者は、谷山地区を隈なく遊説し「政治家は誰を選んでもいいわけではない。地元の声を聞いて届けてこそ政治だ」と訴えた。介護者や年金生活者、物価高騰などに憂慮を示し「政治がリーダーシップを発揮し取り組む。それには実績と経験が必要だ」と強調。「谷山は10年後にどうなっているのか。離島の苦しさも分かっている。新しい風を吹かせ一緒に取り組んでいこう」と力を込めた。
ある新人候補者は地区内を選挙カーで回り、計9か所の街頭で演説した。自民党の裏金問題に言及し「生活が苦しい人が約6割に上る中、国民の怒りは沸騰している」と声を強め、「もう自民党政治はきっぱりと終わりにしなければならない」と主張。また、離島各地で繰り広げられる日米共同訓練の是非にも切り込み、「平和と暮らしがかかった大事な選挙。最後まで応援をお願いしたい」とあと一押しを求めていた。
別の候補者は「手応えはある。やれることは全てやった」と話す。野党候補者の選対本部長は「自民党は首を自ら絞めて追い込んでいる。(比例目標の)議席確保へ最後まで全力で挑みたい」と最後の車を走らせていた。