武力攻撃事態を想定。米LCACによる自衛隊と海兵隊合同の着上陸訓練も=26日午前9時過ぎ、徳之島町花徳海岸
徳之島初の陸自「地対艦ミサイル部隊」の展開も=25日午前、徳之島町総合運動公園
多用途・偵察無人機の姿も(許可撮影)=22日午前、伊仙町犬田布岬
【徳之島】23日から日本各地で展開中の自衛隊と米軍による日米共同統合演習(実動演習)「キーン・ソード25」。徳之島町花徳海岸では26日、米軍の輸送艦と揚陸艇も使った陸上自衛隊水陸機動団(水機団)と米海兵隊合同の着上陸訓練を展開。空からの共同自由降下訓練にはカナダ軍兵士も参加。多国籍隊による同島上陸訓練は初。地対艦ミサイル部隊も初展開している。
わが国防衛のための日米共同対処及び自衛隊の統合運用について演練・検証、日米共同統合運用能力の維持・向上などを目的とした「キー・ソード」。天候不順で直前の延期や中止など計画変更を余儀なくされつつ、徳之島でも多様な陸上作戦が同時展開されている。
26日、同島東海上には着上陸訓練を支援する海自の輸送艦「くにさき」(8900㌧)、米海軍輸送揚陸艦「グリーン・ベイ」(2万4333㌧)が待機。グリーン・ベイから出動の「エア・クッション型揚陸艇」(LCAC)=ホバークラフト=が轟音と水煙に包まれながら午前9時頃、花徳海岸の砂浜に上陸。日米の隊員18人(水機団10人・海兵隊8人)と輸送トラック3台を揚陸。山地を含む「生地訓練」先に向かったと見られる。
偵察隊員などが高高度から隠密・ピンポイントで降下する「自由降下訓練」は、風など天候の回復を待って午後2時頃に開始。徳之島町神之嶺のヘリポートを発った陸自の大型輸送ヘリ(CH-47)から計28隊員(陸自第1空挺団20人・海兵隊5人・カナダ軍3人)が約2千㍍上空から「自由降下傘」で次々と同海岸に降下。偵察・潜入など任務の訓練についた。着上陸を含め多国籍での上陸訓練は同島では初めて。
夜は引き続き海自「くにさき」発のLCACによる水機団20人の着上陸訓練も夜陰に紛れて行われた。27日早朝はより大規模な着上陸訓練も計画している。
同島でも電子線部隊をはじめ多種多様な訓練を実施。同町総合運動公園駐車場(徳和瀬)には徳之島初の地対艦ミサイル部隊も配置、「12式」「88式」地対艦誘導弾の訓練も展開。伊仙町犬田布岬では多用途・無人偵察機の訓練風景も見られた。
「キーン・ソード」は来月1日までだが、台風21号の影響が懸念されそうだ。