奄美空港で「タッチ・アンド・ゴー」

奄美空港の滑走路に接地する航空自衛隊のF15戦闘機(27日午後3時15分頃、奄美市笠利町)

 

 

 

F15戦闘機4機が飛来

 

 

 

 奄美市笠利町の奄美空港で27日、F15戦闘機の離着陸訓練が始まった。日米共同統合演習(キーン・ソード25)の一環。航空自衛隊那覇基地(沖縄)所属の戦闘機4機が飛来し、機体が滑走路に接地した後、停止することなくそのまま離陸する離着陸訓練の「タッチ・アンド・ゴー」を実施した。同空港での訓練は昨年に続き、2回目。

 午後3時13分頃、4機編隊のF15戦闘機が同空港に飛来し、空港上空を海側に1周。その後、1機ずつタッチ・アンド・ゴーを行った。空港の展望デッキには訓練を見ようとカメラを持った人や親子連れなど約40人の市民が集まり、訓練の様子を見守った。次々とタッチ・アンド・ゴーをする戦闘機の姿に「すごーい」、「かっこいい」の声も聞かれた。

 名瀬市街地から訓練を見に来た43歳男性と50歳女性の夫婦は「実際の戦闘機を見るのは初めて。映画やテレビで見たものとは違って、速度が速く、機体も意外と大きかった。4機が飛び立っていくのもあっという間。近くで見ているような感覚だった」と話した。

 一方、南西諸島の防衛力強化に反対する市民団体の姿もあり、奄美の自然を守る郡民会議は約10人のメンバーが集まり、のぼりと横断幕で抗議。城村典文事務局長は「世界自然遺産の島で、このような訓練はふさわしくない。奄美での訓練が常態化しつつあり、戦争を誘発するような訓練は許せない」などと語った。

 日米共同統合演習のタッチ・アンド・ゴー訓練は28日も同空港で、30~31日は徳之島空港でそれぞれ実施予定。