奄美振興「任せていただきたい」
「政治とカネ」の問題を受け、自公合わせて過半数割れで幕を閉じた第50回衆院選――。鹿児島2区では、前職2人、新人3人の計5人が立候補する中、無所属前職の三反園訓氏(66)が激戦を制した。今選挙でも「草の根」活動で支持を広げ、保守分裂と言われる中、次点の自民前職の保岡宏武さん(51)に約2万5千票の差をつけて再選。「国民の思いを聞いて、政治に反映したい」と語る三反園氏の意気込みを共同インタビューなどで振り返る。
―選挙が終わった。率直な感想は。
「皆様のご支援があり2回目の当選ができた。本当に感謝の気持ちでいっぱいだ。その期待に応えられるよう今後も一生懸命働いていきたい」
―勝因は。
「いろんな人に支援していただいたことは分かっている。支援者に『お前しかいない』と言われ、12日間一生懸命戦うことができた」
―公明党の票の取り込みもあった。
「感謝の気持ちでいっぱいだ。心から感謝したい」
―2期目何に取り組む。
「国民が主役の政治をつくっていきたい。そのためには政治家はもっと声を聞いていくべきだと思っている。私もできるだけ多く人の声を聞いて、その思いを反映できる政治を行っていきたい。純粋に真っ直ぐ取り組んでいく」
―自民党の公認候補に2回勝った。
「知事の時から草の根でやってきた。草の根が一番強いと言い聞かせながらやってきた。一生懸命やってくれる人が何人いるかで勝敗に結びつくと改めて感じた。国民も一緒にやってくれる政治家を求めていると感じている」
―奄美群島はどうする。
「奄振法が延長されたが、いかに奄美の人の生活が良くなるようにしていくかが大事。沖縄へ農産物などを運び世界に輸出する、観光に来てもらってお金を落としてもらう、若者が奄美に戻り不安なく働けるようにすることなどが大切。世界遺産も登録が目的ではなく、いかに生活を良くしていくか。港の整備、台風対策も必要。奄美の振興は任せていただきたい。市町村長もいろいろ取り組んでいる。一緒になってやっていきたい」
―自民党入りはどうする。
「私はお願いしている立場。今後どうなるかは分からない。(自公過半数割れには)政治に与党も野党もない。求められているのは誠実さや人柄ではないか」
―最後に抱負を。
「2回目の当選ができた。国民の皆様と、もっと政治を良くしたい。期待に応える政治で、リーダーシップを発揮しながら進めていきたい。政治記者を30年、知事も経験してきた。経験を生かしながら、選んでよかったと思われるように一生懸命汗を流したい」
(青木良貴)
(みたぞの・さとし)指宿市出身。早稲田大学教育学部卒。1980年テレビ朝日入社。政治記者として首相官邸キャップやキャスターを歴任。16年7月から県知事を1期務めた。21年10月の衆院選で初当選を果たした。2期目。