県は1日、天城町で計4匹、伊仙町で計7匹の果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエの誘殺が確認されたと発表した。今年度、徳之島3町で確認された誘殺数は合計37匹。幼虫やさなぎも確認されており、定着・蔓延(まんえん)防止へ県はヘリコプターによる誘殺板(テックス板)投下に乗り出す。
経営技術課によると、天城町では10月28日、松原及び兼久に設置した調査用トラップ(わな)で、雄成虫計2匹の誘殺を確認。また、同31日、松原に設置した調査用トラップで雄成虫2匹の誘殺を確認。天城町における今年度の誘殺は、9月30日に続き5匹目。
伊仙町では、10月28日、目手久に設置した調査用トラップで雄成虫1匹の誘殺を確認。また、同31日、目手久、阿三及び検福に設置した調査用トラップで雄成虫計6匹の誘殺を確認。伊仙町における誘殺は、今年度初めて。
2町以外で徳之島町では今年度、10月7日までに計25匹の誘殺を確認している。
県内における今年度の誘殺数は、今回を含め9市町村で合計46匹となった。
侵入警戒を目的に定期的にしている寄主果実調査で、10月23日に天城町瀬滝で採取したかんきつ類の果実を29日に切開調査したところ、さなぎの寄生を確認。今年度、県内において寄主果実で幼虫・さなぎが確認されたのは、10月2日(徳之島町)、7日(同)に続き3例目。
今回の確認を受け、国のマニュアルに基づき初動対応を実施。天城町ではトラップを16基増設(計47基)、伊仙町では12基増設(計29基)し、両町とも今後2週間は週2回のトラップ調査をする。幼虫やさなぎの有無を確認する寄主果実調査、誘殺板・ベイト剤による防除も進められている。天城町瀬滝では、さなぎが確認された地点から半径1㌔㍍円内の不要な寄主果実について関係者による除去を行う。また、半径2㌔㍍円内の不要な寄主果実については、地域住民に自主的な除去を要請する。
こうした状況を受けて徳之島でのヘリコプターによる誘殺板投下は、国、県、徳之島3町が協議し、国が決定したもの。経営技術課によると、徳之島での航空防除は、最近では2020年度(11月~12月、年明け2月~3月)に実施している。投下枚数は約3万枚で、徳之島の山間部を中心とした約1万㌶が投下地域。今月5日~下旬の10日間程度を予定している。なお、実施にあたっては徳之島3町で、防災無線で住民に周知する。