九州地区代表として「むちゃ加那」を熱唱する指宿桃子さん
内閣総理大臣杯で堂々の準優勝に笑顔の指宿桃子さん
充実の表情を見せる指宿桃子さん(右)と岩崎日向子さん(いずれも提供写真)
【東京】民謡日本一を競う「2024年度民謡民舞全国大会」(公益財団法人日本民謡協会主催)が10月31日から11月2日まで、品川区のきゅりあん(品川区立総合区民会館)大ホールで開催された。最終日、内閣総理大臣賞争奪戦では、指宿桃子さん(32)(奄美芸能徳之島)が準優勝に輝いた。18年に楠田莉子さんが準優勝になって以来の快挙。ほか、岩崎日向子さんが成青年部で6位に入賞するなど奄美勢は奮闘した。
全国から内閣総理大臣杯に選抜された、精鋭59人の中で堂々の準優勝。見事なステージだったが「悔しいです」と第一声。勝負したのは「むちゃ加那」。通常、苦手曲を克服するため唄うというが「今回は逆で、7年前に褒められた曲。九州大会でも唄い、大丈夫と確信。同じように唄えた」と分析、だからこそのコメントだった。
22年、成年の部で堂々の5位にも「うれしさ、悔しさ両方」と振り返っていた指宿さん。悔しさには訳があった。その夏、教え子の峰岡歩嬉(ほこら)さん(当時天城町立北中3年)が、中学生日本一となりプレッシャーを感じていたからだ。「歩嬉ちゃんから『先生もね』とか言われて参りました」と打ち明けていた。一方で「まだまだ伸び代があるということが分かりました。さらに頑張りますから応援してくださいね」と笑顔を見せた。
大会では毎回、弟子が出た後、最終日に出場する。「応援し、疲れ切って出るのは大変です。優勝して大会を卒業したい」が本音。言葉のトーンは、冒頭より明るく弾んでいた。総理大臣杯初挑戦での快挙も、師匠は2年後の頂点を見据えている。
ほかでは、10月31日の「高年部」で日置幸男さん(名瀬ルリカケス)が優秀賞(11位)に。1日の「浦本杯」で永田心花さん(奄美芸能徳之島)が3位に、2日の「成青年部」で岩崎日向子さん(あやまる)が6位に。同「内閣総理大臣杯」で茂木幸生さん(名瀬会)が、審査員奨励賞(18位)に選ばれた。