Y字の吻に仰天!「カブトムシみたい」

大和村今里集落沖で釣り上げたバショウカジキ(提供写真)

Y字のような形にきれいに枝分かれした吻(提供写真)

大和村で釣り客 激レア「バショウカジキ」釣る

 大和村今里集落の沖合で4日、鋭く突き出た上あご・吻(ふん)の先端がY字のような形に二股に枝分かれした珍しいバショウカジキが釣り上げられた。遊漁船を出した勝山水産仁太丸の勝山仁太代表(31)は「(生まれて)31年間船に乗っているが、こんなの初めて見た」と驚いている。

 県水産技術開発センターによると、県内では秋の訪れを告げる風物詩として「秋太郎(あきたろう)」と呼ばれ親しまれており、「鹿児島旬の魚」にも指定されている。芭蕉の葉を思わせる体高より大きな第一背びれが特長で、高めの水温を好むとされるが、詳しい生態は分かっていない。長年、水産資源の管理や開発などに携わる同センターの職員も二股の吻には、「聞いたことがない」と仰天していた。

 船は4日午前9時に釣り客6人を乗せて名音漁港を出港し、ハタ狙いで目的のポイントへ向かっていた。途中、船の周りで暴れるバショウカジキを発見。目を凝らすと関東から来た釣り客がフライングでたらした糸にヒットしたようで、全員が興奮状態に。船を止めて20分かけて約30㌔、180㌢のバショウカジキを釣り上げた。

 ハリス14号の仕掛けで奇跡的な釣果に歓喜する釣り客を横目に、船に上げようと吻をつかんだ瞬間、さらなる異変にも気付いた。きれいに枝分かれした吻に、「カブトムシみたい」と再び大騒ぎになったという。

 バショウカジキは釣り客が置いて帰った。勝山代表は激レアな釣果に「縁起物として飾ろうかな」と思案している。