航空防除スタート

4年ぶりとなるミカンコミバエの航空防除に飛び立つヘリコプター=6日午前10時過ぎ、徳之島空港

初日は徳之島町周辺で約7500枚
徳之島ミカンコミバエ対策

 県は6日、果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエの定着・蔓延(まんえん)防止へ徳之島では4年ぶりとなる航空防除を開始した。有人ヘリコプターを用いて誘殺板(テックス板)を投下するもので、初日は徳之島町の井之川岳周辺などで行った。

 経営技術課によると、航空防除はヘリを所有する佐賀航空に委託。この日の天候は晴天で風がやや強い状況にあったが、午前8時半頃、パイロットが予定通り実施を判断。発着地の徳之島空港でヘリ内への誘殺板の積み込みが行われ、午前10時頃、ヘリは空港を飛び立った。

 初日の作業は午前中のみとなり昼頃には終了。雄の誘引物質と殺虫剤を染み込ませた誘殺板の投下枚数は約7500枚で、徳之島町の山間部を中心に一部天城町の山手でも行った。地元自治体は防災行政無線などを通し、誘殺板を見つけた場合は手で触らない、回収しないなど注意点を住民に呼び掛けている。

 誘殺数の増加や寄主果実での幼虫などの寄生確認を受けて航空防除の実施は、国、県、徳之島3町が協議し、国が決定。約3万枚の誘殺板を投下する。今月下旬まで10日間程度を予定しているが、実施は天候などの条件を考慮して判断していく。

笠利町、徳之島町・伊仙町で確認
ミカンコミバエ新たな誘殺

 県は6日、奄美市笠利町用安(ようあん)、徳之島町手々(てて)・山(さん)及び伊仙町阿三(あさん)に設置している調査用トラップ(わな)で、ミカンコミバエが誘殺されたと発表した。

 経営技術課によると、笠利町では5日、用安で雄成虫1匹の誘殺を確認。奄美市における今年度の誘殺は、7月1日に続き4匹目。徳之島町では同日、手々・山で雄成虫計2匹(1匹ずつ)の誘殺を確認。同町における今年度の誘殺は、10月7日に続き27匹目。伊仙町では同日、阿三で雄成虫1匹の誘殺を確認。同町における今年度の誘殺は、10月31日に続き8匹目。

 今回、誘殺確認はなかったが、天城町での今年度の誘殺は10月31日までに計5匹となっている。徳之島における今年度の誘殺は、今回を含め3町で合計40匹。

 なお、県内における今年度の誘殺は、今回を含め9市町村で合計50匹で、奄美(奄美大島8匹、徳之島40匹)以外は三島村と枕崎市で1匹ずつと、ほとんどが奄美での誘殺となっている。

 誘殺確認に伴う初動対応の主な内容は次の通り。

 【トラップ調査】奄美市5基増設(計13基)。徳之島町では4基増設(計29基)。伊仙町では、これまでに19
基(既存トラップ10基プラス増設トラップ9基)。今後2週間は、週2回の調査を実施。

 【寄主果実調査】今回確認された誘殺地点から半径2㌔㍍円内の庭木や菜園などの寄主果実を採取し、5日間以上保管後、幼虫やさなぎの有無を確認。

 【防除】誘殺板設置のほか、ベイト剤を散布。

 【寄主果実除去】伊仙町阿三では、誘殺が確認された地点から半径1㌔㍍円内の不要な寄主果実について、関係者による除去を行う。半径2㌔㍍円内の不要な寄主果実については、地域住民へ自主的な除去を要請。現時点では寄生果の確認はないが、対応に万全を期すため。