名瀬小で鹿大・出前授業

小山教授(中央)からアドバイスを受ける児童ら(6日、奄美市の名瀬小学校)

 

 

手回し発電機を使ってクレーンゲームを体験する児童ら

 

 

 
磁石の性質・実験通して楽しむ学ぶ

 

 

 奄美市の名瀬小学校(上村英樹校長)で6日、鹿児島大学の出前授業があった。6年生38人が受講。同大理学部の小山佳一教授が「磁石の世界」をテーマに授業し、児童たちは実験を通して磁石の性質などを学んだ。

 出前授業は同大が離島地域生徒の進路希望支援や女子の理数系進路選択支援の一環。奄美群島では2022年から実施している。また、同大が取り組むSDGs(持続可能な開発目標)の一つ、「質の高い教育をみんなに」を達成するためも兼ねている。

 名瀬小であった出前授業では小山教授が自己紹介で「理科が好きで理科の先生か科学者になりたくて大学の理学部に進学した」、「趣味はクレーンゲームの研究」と話し、児童たちに「この世界で鉄を引き寄せるものは二つあります、一つは棒磁石。もう一つは?」①電磁石②バナナ―とクイズを出題し、「その答えは電磁石」と説明した。

 磁石の特徴を理解してもらうため、実験としてA4サイズの紙を横に広げ、その周辺に小さな方位磁針を四つ置き、方位磁針が示すNの文字を紙に記入。中央にコイルを置き、手回し発電機を回して児童たちは方位磁針の針の変化を確認した。

 世界一強い磁石(ネオジム磁石)で鉄球を引きつけてみる実演もあり、小山教授は、「こうした強い磁力のおかげで小さな電気で動く強いモーターができ、それらはドローン(無人航空機)、ハイブリッド車、電気自動車などに利用されている」と説明した。

 後半では身近な電磁石の例として小山教授が研究しているクレーンゲームについての説明があり、アーム(腕)の中に電磁石があり、てこの原理を利用して物をつかんだり、放すと説明。児童たちは手回し発電機で得られた電力で手作りのクレーンゲームメカを使って電磁石とアームの動きを観察。最後には児童たちに「未来博士号」を贈った。

 勇廣晟(こうせい)君(12)は「磁石が身近に使われていることを知り、素晴らしさを感じた。実験を通して思っていたよりも磁石の力が強いことに驚いた。クレーンゲームのコツも仕組みが分かったので少ないお金で景品を手にしたい」と語った。

 同大では大和村や同市の伊津部小でも出前授業を予定している。