地域のウェルビーイング高める

生涯学習の取り組みや今後の在り方について考えたシンポジウム(16日、和泊町)

記念公演した㈱新日本科学の永田良一社長

生涯学習推進大会・広域文化祭盛大に
和泊町で開催 シンポや講演、舞台発表も

 【沖永良部】第20回大島地区生涯学習推進大会・第23回同広域文化祭が16日、和泊町の和泊中学校体育館であった。シンポジウムや講演を通して、奄美の良さを生かした街づくりと地域全体のウェルビーイング(幸福感)の向上について考えた。

 大会は隔年開催。奄美群島社会教育振興会などが主催し、群島内で地域活動や伝統文化の保存に関わる団体や個人などが参加した。

 島内3中学校合同吹奏楽部による演奏で幕開け。同町の前登志朗町長は「各市町村の取り組みを共有し合いながら、地域の絆をより一層深めてほしい」とあいさつ。大島地区文化協会連絡協議会の境賢勇会長は「大会を契機に奄美地域の文化の振興と継承活動の活性化につながることを期待している」と述べた。

 シンポジウムには、伊仙町、知名町、和泊町、瀬戸内町、天城町から青少年育成や健康づくりなどの分野で活躍する5人が登壇。瀬戸内町古仁屋八月踊り(童子八月踊り)研究会の若林京子さんは、活動を継続していくことの苦労や子どもたちに踊りを教える時の工夫などを紹介し、「八月踊りにはご先祖様たちの魂が込められている。それを消滅させないよう次世代に継承していきたい」と語った。

 記念講演した㈱新日本科学の永田良一社長は、同社が和泊町で行っている人工シラスウナギの種苗生産研究の状況を説明した上で「人工シラスウナギの生産地は現在のところ世界になく、沖永良部島が世界で初めてかもしれない。島のイメージアップになるし、観光資源にもなる」と述べた。また、これまでの経験やウェルビーイングの向上のために実践していることを挙げ「いろいろなことをやってきたが、その原点は好奇心。今日一日を精いっぱい生きて、その積み重ねが幸せな人生に結びつく」と話した。

 舞台発表では、和泊、知名両町から伝統芸能を継承する3団体が出演し、日頃の練習の成果を披露した。出演を予定していた大和村、龍郷町、天城町の3団体は、台風25号の影響で辞退した。

 次期開催地は与論町。

 被表彰者は次の通り。(敬称略)

 ▽大島地区社会教育功労者表彰 山田紘一(奄美市)、保池穂好(宇検村)、中村スヱ(和泊町)、大山澄夫(知名町)
 ▽大島地区文化協会連絡協議会表彰 喜美留保存舞踊会(和泊町)、町田進(徳之島町)、福田原里(知名町)