災害拠点として完成した喜界徳洲会病院の新病院
式では徳田氏の功績を振り返り、新病院での誓いを新たにした
新築移転を進めていた医療法人徳洲会喜界徳洲会病院の竣工(しゅんこう)式が17日、同町赤連の現地であった。約40人が出席し、災害時に拠点となる新病院の完成を祝った。新病院では「島で完結できる医療」への拡張を進めながら、喜界島唯一の病院として充実した医療の提供を目指す。一般診療は来月1日から。
旧病院は1991年8月に開設。老朽化などのため、高台への移転を前提に2022年に建設工事に着手した。
新病院は、鉄骨コンクリート造3階建てで、敷地面積1万6368平方㍍、延べ床面積8979平方㍍。一般病床40床、療養病床49床を確保し、15の診療科を配置。医療スタッフは、医師7人、看護部97人、コメディカル28人、事務系64人の計196人体制となる。
院内では、医療機器の更新や導入、感染対策などを進めたほか、建物は台風などの災害に強い構造にこだわり、自家発電設備、軟水器、食料備蓄(3日分)などを備えるなど、有事の際のインフラ対策を強化した。これまで階をまたいでいた病棟はワンフロアに集約。機動性や導線を高めることで、療養・職場環境を大きく改善した。
このほか、1階エントランスホールでは窓口が一望できる広さを確保するなど、利便性の向上にも努めた。一角には大型スクリーンを設け、予防医学普及コーナーを開設。今後はトータルケアの一環として介護部門との連携を深めながら、地域に密着した病院を目指していく。
竣工式には福田貢徳洲会副理事長、小林奏院長、隈崎悦男町長ら関係者が出席。神事で安全を祈願したほか、出席者らは今年7月に亡くなった徳田虎雄氏の功績を振り返り、新病院での誓いを新たにした。
福田副理事長はあいさつで「喜界で30年余り、長きにわたって地域医療に携わってきた。ここに新病院として建設できたことをうれしく思う」と関係者へ感謝。隈崎町長は「1991年以来、離島・地域医療の役割を果たされた病院に感謝し、今後ますますの貢献に期待したい」とエールを送った。
式後は内覧会を開き院内をお披露目。午後には一般見学も受け付けた。