和光園で合同慰霊祭

21日に行われた、奄美和光園合同慰霊祭

 

 

405柱の冥福祈る

 

 

 奄美市名瀬の国立療養所「奄美和光園」(馬場まゆみ園長)の合同慰霊祭が21日、同園の講堂であった。職員や入所者ら約50人が参列。黙とうと花を捧げ、これまでに亡くなった405柱の御霊(みたま)の冥福を祈った。同市の諏訪哲郎副市長も参列し、献花や焼香などを行った。

 馬場園長は「ハンセン病は抗菌薬で治癒する感染症となり半世紀以上たったが、残念ながら世間の認識は十分でなく、差別は依然として深刻な状況にある」とし、「差別や偏見を許さず払拭(ふっしょく)することは私たちの使命。入所者一人一人の生命と人権を守り、豊かな自然環境に包まれた、穏やかな生活と、安全で安心な治療を提供するよう、職員一同、精進することを誓う」などと述べた。

 式では、参列者が祭壇に献花。式後、園内の納骨堂に移動し、安置された物故者(ぶっこしゃ)の位牌(いはい)に手を合わせた。

 奄美和光園は、鹿児島県で二つ目の国立ハンセン病療養所として1943年に開設され、昨年、創立80周年を迎えた。53年に奄美群島が日本復帰を果たし、九州本土や沖縄の療養所から多くの奄美出身者が帰り、人生の大半を過ごしてきた。その後、入所者の減少が続き、21日現在の入所者は11人(男3人、女8人)、平均年齢88・5歳、最高齢97歳となっている。