「安心して認知症になれる社会」について意見を交わした支援3団体交流会(23日、奄美市役所)
奄美市の地域包括支援センターは23日、市役所会議室で、認知症患者の支援・サポート活動を行っている3つの団体の交流会を開いた。「結(ゆい)とも」「ま~じんま」「キャラバンメイト」から20人が参加。それぞれの活動を共有し、「安心して暮らせる地域づくり」について意見を交わした。「新しい認知症観」をテーマに講演があり、認知症とともに生きるこれからの社会の在り方について学びを深めた。
3団体は、認知症支援という同じ目的で活動しているが、内容は異なる。
「結とも」は、同センターが主催する認知症サポーター養成講座などを修了した人が、見守りや話し相手をする地域ボランティア。26人が登録している。
「ま~じんま」は、認知症の家族と支援者約30人の組織。月1回の認知症カフェを開くなど学びと交流の場の創出を図っている。
保健師・主任ケアマネージャーなど有資格者約20人で構成する「キャラバンメイト」は、認知症サポーター講座の企画・立案を担う。
交流会は初開催。それぞれが活動内容を伝え合い、「どんな奄美市だったら安心して暮らせるか」「交流し、どんな活動ができそうか」をテーマに意見を交わした。
参加者からは、「(老人クラブなどの活動縮小で)寄り合う場が少なくなっている」「隣近所で顔の見える関係性を作ることが大事」「子ども食堂など、さまざまな世代が集まる場所で病気に対する理解を進めたい」などの意見が出された。
「結とも」メンバーの益田祐子さん(65)は「集落単位で養成講座を開催してはどうか。より地域に根差した見守り活動につながり、顔が見える関係を築きやすい」と提案した。
福岡県で、認知症高齢者向けの「スローレジ」導入を主導した阿部かおり・福岡県若年性認知症サポートセンター長が、「安心して認知症になれる奄美市とは」と題しリモート講演。「認知症は全てができなくなる病気ではない。少しの手助けで出来ることをやってもらい、社会参加する機会を作ることが共生につながる」などと話した。