ミカンコミバエ誘殺数の増加で、徳之島で4年ぶりに実施された航空防除は終了した(今月6日の開始時に徳之島空港で撮影)
県は、果樹・果菜類の害虫ミカンコミバエの定着・蔓延(まんえん)防止へ徳之島では4年ぶりとなる航空防除を実施した。気象条件から安全面を考慮し、地上での作業も取り入れ計3万枚を散布。ミカンコミバエの新たな誘殺は11日以降、確認されていない。
経営技術課によると、有人ヘリコプターを用いて誘殺板(テックス板)を投下する航空防除は、ヘリを所有する佐賀航空に委託。今月6日にスタートした。
島内の主に山間部を対象にしたが、風の関係から12日までの合計4回で終了。風により誘殺板投下場所が影響を受ける安全面を考慮したもので、農地や人家が近い所は航空防除を避け、地上での散布に切り替えた。枚数は航空防除2万500枚、地上9500枚の計3万枚。当初の計画通りの数を散布した。
調査用トラップ(わな)によるミカンコミバエの新たな誘殺は、今月11日に伊仙町伊仙で1匹確認されたのが現在のところ最後。県内の今年度の誘殺数は9市町村51匹で、このうち41匹と8割は徳之島での誘殺数。内訳は徳之島町27匹、天城町5匹、伊仙町9匹となっている。
ミカンコミバエの調査は、雄成虫の誘引剤を設置し、雄の生息を確認するトラップ調査と、グアバやかんきつ類などの寄主果実内に幼虫やさなぎの寄生の有無を確認する寄主果実調査が行われている。寄主果実調査の結果、徳之島の3町で寄生が確認(徳之島町と天城町は2回、伊仙町は1回)された。
なお、農林水産省植物防疫所の公表によると、沖縄県では11月12~18日の週までに今年度は合計145匹誘殺されている。石垣市(47匹)と八重山郡竹富町(37匹)で目立ち、2市町で全体の6割近くを占めている。