電気復旧、試運転可能に

記録的な大雨により工場内も浸水被害に遭ったが、電気系統の復旧で機械の試運転が可能となった与論島製糖

大雨被害の与論島製糖
今週末にも予定

与論町の与論島製糖与論事業所(中野貴志事業所長)は、大雨により敷地全体が浸水し、工場内にも被害が及んだ。電気系統への影響が懸念されたが復旧し、全体の部署に電気を送ることができ、製糖期を前に実施する機械の試運転ができるめどが立った。

被害は8日から9日にかけて発生。工場の敷地近くには用水路があり、あふれ出した水が流れ込んだ。水は工場内部にも及び、工場全体に電気を送り、機械を動かす配電室も水に浸かった。ポンプやモーター類も一部が水没した。

電気系統をぬれた状態で作動させると漏電の危険性があることから、点検作業や清掃を優先した。中野所長によると、18日に電気系統の復旧を確認。「電気を送る電源が大丈夫だった。機器を動かすことができる。製糖前に行っている機械の試運転は例年11月中旬にしている。今年は2週間遅れになるが、今週末には行いたい」。試運転は順調なら1日で終了するという。

中野所長は「浸水被害で多くの皆さんにご心配を掛けた。他の製糖工場を含めて島内外から『復旧できるよう協力したい』という言葉や支援をいただいた。感謝したい」と語った。

同島の操業開始は年内の12月中旬を計画。試運転の結果を踏まえて町の対策会議で日程が決まる。

与論島の2024年産サトウキビは収穫面積約404㌶、収量約2万2200㌧を見込んでいる。作柄は夏場の干ばつで前年よりやや悪いという。今回の大雨被害は新植夏植えのほ場でみられ、冠水による土砂の流出で苗がむき出しになった箇所も確認された。新植は来期の収穫用となることから、来期に影響が出る可能性がある。