航空機事故を想定

医師によるトリアージなど救急搬送や、化学消防車による消火訓練などで航空機事故初動体制を確認した=27日、天城町の徳之島空港

航空機事故を想定し、関係機関の約100人、消防・救急など車両13台が出た消火救難訓練

消火救難訓練で初動対応を確認
徳之島空港

 【徳之島】徳之島空港(天城町浅間)で27日、航空機の事故を想定した消火救難総合訓練があった。緊急時対応計画・消火救難業務運用要領・航空機事故処理要領に基づき、関係機関への緊急連絡、現場指揮本部や合同対策本部の設置、消火・救難・担架搬送、トリアージ(症度判定)など初動対応を確認した。

 昨年度は事故を想定した通報訓練のみを実施。関係機関・団体を動員しての実動訓練は2019年度以来5年ぶり。県や町当局をはじめ警察、地区消防組合、医療(あまぎユイの里医療センター)、空港関係事業所などから約50人が参加した。

 訓練に先立ち同空港管理者の森田弘光天城町長は、今年1月に羽田空港で起きた旅客機と海上保安庁航空機の衝突事故や宮崎空港で先月あった不発弾爆発事故も例に「私たちの想定できない事案が発生。空港関連の皆さんが個々の任務をしっかりと認識して正確・迅速な初動対応が大事だ」と要請した。

 訓練は、午後0時半に鹿児島からの旅客機(乗員・乗客73人)が着陸時、車輪事故を起こし滑走路から逸脱し、エンジン部分から発煙したなどの想定。緊急連絡空港常備の化学消防車や地区消防組合の救助工作車、救急車などが出動し、一連の初動対応を再確認し合った。

 県大島支庁徳之島事務所の八木修治所長は訓練講評で「航空機事故の被害を最小限に止めるには、関係機関の十分な連携の下、迅速かつ的確な対応が不可欠。徳之島空港の安全性の一層の向上のため関係機関の皆様と一体となって取り組みたい」と要請した。

 徳之島空港では04年1月1日、当時の日本エアシステム(JAS)のMD81型機(乗客・乗員169人)が着陸直後に主脚が折れ、翼を滑走路に接触させて停止し、乗客3人が軽傷を負う事故が起きている。