リュウキュウアサギマダラ早くも冬越し

最高気温がほとんど上昇しなかった29日午前、早くもリュウキュウアサギマダラの冬越しの様子が見られた(29日午前9時過ぎ、奄美大島北部の越冬地)

寒気入り込み最高気温上がらず
ほとんど20度以下

平年並みの寒気が入り込んだ29日、奄美地方は昼の気温も上がらず、日中最高気温はほとんどが20度以下となった。12月中下旬並みで、急な気温低下で慌てて冬服を取り出す人の営み同様、自然界でも早くも冬越しの様子が見られた。

気象庁によると、同日の最低気温は奄美地方の8観測地のうち最も低かったのが、奄美市笠利の15・5度。他も16~17度台にとどまった。

最高気温は、最も低かったのが奄美市名瀬の18・7度。20・0度となった天城町天城以外の7観測地点で18~19度台となり、20度に達しなかった。12月中下旬並みの最高気温で、19・2度となった沖永良部(和泊町)は1月上旬並み。前日差で与論島は観測地点の中で最も大きい1・4度下がり、平年差では瀬戸内町古仁屋と沖永良部は3・4度も下回った。

日中の最高気温が上がらず、ほとんどが20度以下となったことについて名瀬測候所は「西高東低の冬型の気圧配置となり、北から冷たい空気が流れ込んだ。昼間の気温もほとんど上昇しなかったのは、曇りが続き日射が少なかったため」と説明。海沿いなどは北からの季節風が強く、気温以上に体感温度が下がったようだ。名瀬の最高気温で24日は24・0度を観測するなど最近まで「夏日」(25度以上)に近かっただけに、〝冬の足音〟が急に早まったよう。

自然界も冬の到来を告げている。「奄美の冬の風物詩」リュウキュウアサギマダラの集団越冬で、枝にぶら下がり、羽を寄せ合って寒さをしのぐ様子が29日の午前9時過ぎでも観察された。ブルーと茶色のまだら模様が美しいリュウキュウアサギマダラは体長10㌢ほどのチョウ、奄美大島が生息地の北限とされている。気温が15度以下になる12月~翌年2月にかけて冬越しが観察できるが、この日は、数はそれほど多くなかったものの、気温が上昇しなかったことで早朝ではない時間帯でも観察できたようだ。