大島地区11月子牛セリ

 
 
 
平均価格、小幅高
雌上昇、去勢下降 枝肉相場の回復低調

 

 

 

 JA県経済連肉用牛課奄美市駐在は11月29日、今年最後となった11月の大島地区子牛競り市結果をまとめ、公表した。子牛市況の総平均は41万3422円で前回(9月)比5261円上昇と小幅高。雌は上昇したが、去勢が下降した。

 今回の競り市は、台風21号の影響で通常は最初に始まる与論を9日に延期。同日も前日(8日)の大雨被害で開催が危ぶまれたが、無事に開催された。日程は3日の沖永良部から開始され、与論が最後となった。

 全体の入場頭数は1947頭(雌836頭、去勢1111頭)で全て売却。平均価格は雌35万3410円(前回比5692円高)、去勢45万8580円(同892円安)となった。同駐在は「肥育農家が11月、12月に出荷する頭数を穴埋めするため手当買いに動いており、想定していた通り9月競り市からすると購買者の購買意欲は強くなっていた」と振り返るものの、「枝肉相場が思うほど回復しておらず」小幅な上昇にとどまった。

 合計平均価格にかかわる市場ごとの順位をみると、与論の42万6523円を筆頭に、徳之島、沖永良部、奄美大島、喜界の順。購買者から見た子牛評価の指標である平均単価(キロあたり)で市場を格付けすると、喜界の1563円を筆頭に、与論1532円、沖永良部1519円、徳之島1499円、奄美大島1409円の順。競り日齢にかかわる市場ごとの若齢順位は、喜界252日、沖永良部266日、徳之島271日、与論272日、奄美大島281日の順となっている。

 今後の相場の見込みについて同駐在は「枝肉の最需要期となり肥育農家の販売価格が上向くと思われるが、肥育農家が出荷する肉牛の生産費も上昇すると思われるため、保合(もちあい)と予想される。また、枝肉の下位等級の販売には苦戦が見込まれることから、子牛についても個体間の価格差がより一層大きくなることも予想される」として、生産農家に「購買者のニーズをしっかり把握して、日頃の飼養管理、飼料給与、交配種雄牛の選定を行ってほしい」と呼び掛けている。

 2025年の大島地区競り市は1月5日の与論市場から開催され、県内子牛市場の初競りとなる。