奄美地域キビ24年産見込み

ほぼ平年並み36万7千㌧
沖永良部は増加か
喜界・生和糖業 年内操業目指し運送会社と協議

 県は13日、2024年産(24~25年期)サトウキビの島別生産見込み(11月1日現在)をまとめた。奄美地域(奄美群島)の生産量は36万7501㌧を見込んでおり、前年同期比では2・0%、平年比で3・7%それぞれ減少しているが、ほぼ平年並み。平年比では増加は沖永良部島のみとなりそう。

 農産園芸課によると、生産見込み量の島別は徳之島16万2067㌧(平年比4・7%減)、沖永良部島9万1572㌧(同7・1%増)、喜界島6万6001㌧(同10・9%減)、奄美大島2万5611㌧(同3・6%減)、与論島2万2250㌧(同7・2%減)の順。

 収穫面積の島別は、徳之島3128㌶(平年比5・3%減)、沖永良部島1787㌶(同7・0%増)、喜界島1383㌶(同3・1%増)、奄美大島561㌶(同1・6%減)、与論島404㌶(同0・7%増)の順。徳之島と奄美大島で減少しており、なかでも徳之島の収穫面積減が著しい。

 単収(10㌃あたり収量)は与論島の5・5㌧が最も高く、徳之島(5・18㌧)、沖永良部島(5・12㌧)、喜界島(4・7㌧)、奄美大島(4・5㌧)の順で、喜界島と奄美大島は4㌧台にとどまる見通し。

 生産量の見込みで喜界島と奄美大島の減少要因について同課は、台風10号と13号被害を挙げる。強風により倒伏や折損が見られた。同様に減少を見込む徳之島は収穫面積の減少、与論島は7~8月の干ばつが影響している。与論は前年比では13・5%の増だが、「昨年は台風、干ばつのダブルパンチで生産量が低迷したため」(同課)。与論の生産量の23年産実績は1万9597㌧と2万㌧台を割り込んだ。平年値は2万3985㌧。

 奄美地域の大型製糖工場の操業(搬入開始)は南栄糖業が2日、富国製糖(奄美大島)が12日に開始。大雨による浸水被害に見舞われた与論島製糖は操業が懸念されたが、当初の予定通り今月16日を予定。一方、11日開始予定だった南西糖業(徳之島)は、刈り取られたキビを製糖工場まで運ぶ運送会社でつくる奄美群島きび輸送事業協同組合との輸送費交渉がまとまらず、こう着状態が続いている。生和糖業(喜界島)は17日に予定していたが、契約している運送会社1社が同組合に加入しており、同社によると、徳之島同様、輸送費交渉がまとまっていない。打ち出している金額面で乖離(かいり)があるという。同社は「年内操業に向けて運送会社との話し合いを続けている」としており、現状では操業日程に見通しが立っていないため、12日には各集落への放送(防災行政無線)を通し、サトウキビの刈り取りを控えるよう呼び掛けた。