集落内の畑で羽を休める(左から)オオヒシクイ2羽とヒシクイ(12月29日正午頃、奄美市笠利町)=提供写真=
畑でのんびり羽休め
○…国指定天然記念物の野鳥「ヒシクイ」「オオヒシクイ」が奄美大島に飛来した。野鳥写真家の与名正三さん(73)=宇検村生勝出身=が昨年12月29日、奄美市笠利町土盛の畑で羽を休める姿を撮影した。
○…『奄美の野鳥図鑑』(NPO法人奄美野鳥の会編)などによると、ヒシクイはガンの仲間。暗褐色で全長78~100㌢。ユーラシア大陸北部で繁殖し、日本を含む東アジアや中央アジア、ヨーロッパなどで越冬する。
○…奄美では迷鳥として知られ、亜種のヒシクイ、オオヒシクイが飛来。環境省レッドリストで絶滅危惧Ⅱ類と準絶滅危惧種にそれぞれ指定されている。
○…与名さんはヒシクイ1羽とオオヒシクイ4羽を確認。「(エサ場である)水田のように、草や種子などが多くあれば」と気にしつつ、「シベリアなどから遠距離を渡ってきた羽休めのひと時。もし見かけても、遠くから温かく見守っていただければ」と話している。