高品質子牛づくりへの期待の声が寄せられた奄美大島家畜市場の初競り
認定和牛改良組合表彰の伝達も行われた
2025年最初となる1月の大島地区子牛競り市は10日、奄美市笠利町の奄美大島家畜市場で行われた。総平均価格は前回(昨年11月)を約7千円上回る45万4千円に。子牛価格の低迷の一方、国際情勢の影響を受けて飼料価格の高騰など厳しい環境にあるが、高品質の子牛づくりへの期待が挙がった。
初競りでは県本土などから来島した購買者や生産者を前に、地元自治体を代表して瀬戸内町の鎌田愛人町長があいさつ。「畜産農業は地域経済を支える重要な産業。生産者の飼養技術を支えていきたい。高品質の子牛づくりを生産者とともに進め、生産地の信頼と地位の確立を図りたい。生産者、購買者の皆さんが希望に満ちた年になることを願う」と述べた。
24年度認定和牛改良組合表彰の伝達もあった。公益社団法人全国和牛登録協会から奄美本島和牛改良組合に対しての表彰。県支部によると、23年度改良組合実績報告調査に基づき、組合内供用中雌牛の平均分娩間隔の平均値が全国の上位だった15組合(分娩間隔の部)が対象となり、鹿児島県内の表彰は3組合(根占町、屋久島町、奄美本島)。大島地区の供用繁殖雌牛の繁殖成績によると、奄美大島の平均分娩間隔は385日で、地区計(392日)、県計(397日)より短く生産性を上げることにつながっている。
JAあまみ大島事業本部による初競りを祝福しての乾杯後、子牛が1頭ずつ入場しての競りがスタートした。大島地区では南から北へと与論、沖永良部(2日間)、徳之島(同)、奄美大島、喜界の5市場で子牛競りが行われている。徳之島に続き奄美大島家畜市場に来場したという購買者の中村清美さん(78)=指宿市=は「50年ほど前から通い、ここ(大島地区)からのみ子牛を購入している。粗飼料(草)を与えているため、餌の食い込みがいい。初競りでは小さめの牛が多い印象だが、最高価格は伸びている。これからも粗飼料をしっかり与えて、品質のいい子牛づくりをお願いしたい」と語った。
JA県経済連肉用牛課奄美市駐在のまとめによると、同家畜市場初競りへの入場頭数は前年より10頭少ない170頭で、全て売却。総売上金額は7727万1千円となり、8千万円台(前年の初競りは8901万2千円)を下回った。性別は、雌の平均額が37万3千円、最高は54万1千円。去勢の平均額は54万5千円、最高は82万8千円となった。