向き合って「節田マンカイ」を体験する児童たち
伝統行事を継承
集落住民が訪れ教える
奄美市笠利町の節田小学校(池田誉校長、児童35人) で11日、市指定文化財「節田マンカイ」の体験活動があった。本番でのサンシン(三味線)やチヂン(太鼓)の演奏者や唄を歌う人など集落住民7人が学校を訪れ、本番さながらに実践しながら、唄の歌詞や踊りを児童たちに教えた。
地域の伝統行事を知るとともに、郷土愛を育むことが目的。コロナ禍での中止もあったが、昨年学校からの呼び掛けで再開され、2年連続での体験活動となった。
「節田マンカイ」は1971年に旧笠利町の文化財に指定。旧暦の正月に室内で踊ることから「正月マンカイ」とも言われ、30年頃までは笠利町全域で踊られていたが、現在は節田集落だけに残る伝統行事。サンシンやチヂンの演奏者以外は、集団で男女が向き合って座り、交互に唄を返し合う。唄は正月唄から塩道長浜(しゅみちながはま)などの八月踊り唄や情歌・恋愛歌なども歌われている。
体験活動では本番同様、3曲を連続で3回踊り、最後は輪になり六調を踊って締めくくった。
節田集落前区長の朝郁夫さん(70)は「楽しい気分になって、家族連れで本番にも参加してほしい。伝統行事の継承につながれば」と語った。
昨年も体験し、本番にも参加した榊ココさん(4年)は「リズム感が良くて楽しい。今年も家族で参加したい」と笑顔を見せた。
「節田マンカイ」は旧暦の正月にあたる29日午後7時から集落内の生活館で行われる。