「家守りプロジェクト」

サブリース契約による空き家の活用を説明する佐藤理江あまみ空き家ラボ理事長(12日、奄美市役所)

サブリース契約に関心
空き家活用と相続登記学ぶ

空き家の利活用と相続登記の重要性を学ぶ「空き家セミナー/個別相談会/ワークショップ」が12日、奄美市役所であった。県の「2024年度住まいの問題を解決する家守り(やもり)プロジェジェクト」事業の一環で、大島支庁、奄美市、龍郷町の共催。セミナーには45人が参加し、12組が相続問題解決などに向け個別相談した。ワークショップでは、住環境の課題などについて意見を交わした。

プロジェクトは、奄美群島内の住宅不足解消に向け、空き家をはじめとした未利用・低利用不動産(土地・建物)の有効活用を図ることが目的。22年度に喜界・沖永良部・与論町を対象にスタートした。

24年4月の法改正で義務化された「相続登記」の重要性について、奄美市の司法書士、里村紀幸さん(里村法律事務所)が講話。第三者の権利主張を防ぎ、所有権を明確にするためにも登記を進めてほしいと話した。

参加者からあった相続の手順についての質問には、▽「遺産分割協議書」(合意内容をまとめた書類)を作成▽戸籍で相続人の範囲を確定▽法務局に登記(司法書士などに依頼)―と、手続きの流れを説明した。

沖永良部・徳之島・奄美大島を中心に、空き家のサブリース(転貸)などに取り組むNPO法人あまみ空き家ラボの佐藤理江理事長は、大家から家を借り、家を探している人に貸すサブリースの仕組みや実例を説明した。

各種助成金制度や、相続・不動産譲渡で発生する相続税・贈与税などの説明もあった。

個別相談した同市笠利町の建築業の男性(52)は、「祖母名義の土地の権利者が20人くらいいる。家の前の通路を舗装しようとしても着手できない状態。協議書を作り登記するようアドバイスされた」と話した。

サブリースに対する関心も高く、仏壇や荷物の残る空き家を民泊やゲストハウスで活用したいといった相談も複数あった。あまみ空き家ラボの担当者は、「サブリース契約の上、旅館業の許可をとり、観光客などをターゲットとする方法がある」などとアドバイスしていた。

同セミナーと相談会は、26日和泊町役場でも開催される。