巨大なナリムチが飾られたショールーム前で、つむぎのにしの西代表(右)と母・一美さん
14日「ナリムチ」
商売繁盛願い、つむぎのにし
1月14日は、小正月の前日で五穀豊穣(ほうじょう)や無病息災を願う「ナリムチ(餅花)」――。奄美市の名瀬中央通りアーケード商店街にある大島紬専門店「つむぎのにし」(西京子=あつこ=代表)では、新年の幸せを願う色とりどりの〝餅の花〟が店頭を彩り、訪れる買い物客らを楽しませている。
ナリムチは、ブブ木(リュウキュウエノキ)の枝に花に見立てた4色(白、赤、黄、緑)の餅を付け、五穀豊穣や家内安全を願う風習。北大島や徳之島などで受け継がれており、薩摩藩から伝わったとされている。
つむぎのにしは60年以上前に創業。現在の店舗に移転した2008年からは商売繁盛を願い、入り口ショールームの2か所に手作りのナリムチを毎年飾り付けている。ナリムチは、ブブ木に代えて幸運の木・柳を使って製作。餅は同店2階にある空手道場「剛柔流心道館」(西決造館長)に通う中学生の道場生と一緒に色が重ならないように工夫し、あでやかに仕上げた。
完成したナリムチは高さ約1・7㍍。餅は15パック使用した。共に店を営む母の一美さん(77)は「毎年、足を止めてディスプレーに見入る人も多い」と喜ぶ。
同店では大島紬の着物や洋服、小物などがずらりと並ぶ。コロナ後も回復は早く、運営も順調だという。西代表(51)は「道場生には転勤族も多く、製作過程も恒例行事となっている。島の伝統を伝えながら、商店街を盛り上げていく一助になれば」と話した。
枝は「正月の送り」の18日に下ろす。道場生の保護者が調理し持ち寄るのも恒例だという。