ほぼ満開に近い状態まで咲いているヒカンザクラ。並木のうち1本だけが早咲きとなっている(14日午前、龍郷町秋名)
龍郷町秋名の県道沿い ヒカンザクラ並木の1本
龍郷町秋名集落には奄美市名瀬と結ぶ芦花部トンネルに通じる県道沿いにヒカンザクラの並木がある。並木の中の1本の木だけが開花し、ほぼ満開に咲き誇っている。時折、青空が広がり、日差しが届いた14日は、蜜を求めるメジロの姿も見られた。
「秋・幾地区」として、さまざまな地域行事などに秋名集落と合同で取り組む幾里集落区長の隈元信一郎さん(66)によると、並木は秋名壮年団が植樹したもの。今月19日には並木の清掃作業が予定されており、幾里集落からも参加するという。
集落側から芦花部トンネルに向けて右側に形成されている並木のうち、開花しているのはトンネルに近い部分。ほとんどが開花せずまだツボミの状態だが、1本だけが開花し緋色(ひいろ)で下向きの花が樹木全体を覆っている。隈元さんは「例年12月中旬頃から開花するが、今季は1月に入ってからと遅れていた。現在、六~七分咲きではないか。なぜこの1本だけ開花が早いのかは分からない」と話す。
奄美に一足早い春の訪れを告げるヒカンザクラの開花。並木の中で1本だけ満開に近い状態まで咲き誇る様子は存在感を示し、通行するドライバーが下車して早咲きのヒカンザクラをスマートフォンで写真を撮影する姿が見られる。集落は「比較的車の通行が多いところ。安全に注意しながら早咲きの桜を楽しんで」と呼び掛けている。