発災時「応急仮設住宅建設配置」で訓練

発災時の「応急仮設住宅の配置計画」課題などの検証、机上訓練=16日、徳之島町役場

建設候補地の現地状況確認・調査も実施した(徳之島町総合運動公園)

市町村中心に「平時の備えを」
徳之島地区で初

 【徳之島】「奄美群島太平洋沖地震」発災を想定した応急仮設住宅建設の配置計画訓練(県主催)が16日、徳之島町であった。県をはじめ徳之島・天城・伊仙・和泊・知名5町の建設行政担当、一般社団法人プレハブ建築協会の関係者ら約20人が連携。能登半島地震被災地への対応や課題実例、同住宅配置シミュレーションも交え「平時の対応」「市町村主体」の連携も再認識した。

 県は、地震や台風など大規模災害に備えて応急仮設住宅の供給体制の整備を推進。全国47都道府県と災害時の応急仮設住宅建設に関する協定を締結しているプレハブ建築協会側を交えた同訓練は昨年10月の奄美大島地区に続いて初めて。

 まず徳之島町役場会議室で机上訓練。プレハブ建築協会(企画建築部会)側が、応急仮設住宅建設の留意点などを説明した。

 昨年1月1日発生の能登半島地震(震度7)=住宅被害12万5976棟(うち全壊8408棟)への対応については翌2日、石川県珠洲・輪島両市から1000戸超の応急仮設住宅の要請があった。インフラの復旧遅れによる資機材と宿泊施設不足、工事従事者の遠距離移動及び人手不足など厳しい課題に直面したことなども報告。

 その上で協会側は「平時から宿泊施設団体と自治体の連携及び協定の締結を」。宿泊施設の絶対数確保が困難な場合は「仮設作業員宿舎、休憩所の確保も必要」ともアドバイス。テーマ「仮設住宅建設用地に求められる要件・調査事項の確認」では、1日でも早く、1戸でも多くの応急仮設住宅の提供への建設候補地の現場調査、チェックシートの活用、良質な生活環境の確保、団地内コミュニケーションの形成―などのノウハウについても解説した。

 あらためて「平常時」におけるハザードマップ(急傾斜崩壊危険区域・土石流危険渓流区域・浸水区域など)や資材搬入の進入路、ライフラインなどの状況把握の重要性も強調。県土木部建築課住宅政策室(税所友明技術主幹ら)も平時の調査・把握など備えの大切さに加えて「(発災時は)地元市町村がコーディネーター、皆さんが中心人材だと意識してほしい」とも促した。

 このあと同町総合運動公園多目的広場に移動。現地確認をしながらチェックリストの記入や測量、建設予定地の縄張りなど訓練。再び町役場に戻り調査結果・配置計画などの発表や講評も。同町建設課主事補の瀬田真志さん(27)は「(建設)候補地の選定配置は難しかったが、平時から災害に即応できる意識を持ち続けたい」と表情を引き締めていた。