本格焼酎鑑評会

7人の審査員が今年の焼酎の出来栄えを審査した

黒糖は22点出品
バラエティーに富んだ香り立つ

 【鹿児島】2024酒造年度(24年7月~25年6月)に県内で製造された本格焼酎の出来栄えを評価する県本格焼酎鑑評会が鹿児島市の県酒造会館であった。県酒造組合が本格焼酎の酒質向上を目指して毎年実施している。サツマイモは21日、黒糖、米、麦は22日と原料別に実施され、124製造場から214点の出品があった。奄美の黒糖焼酎は12製造場、22点だった。

 審査は、熊本国税局の小濱元鑑定官室長を審査長に、県工業技術センター、鹿児島大から7人が担当。味や香りなど各項目を5段階で評価し、総合的な点数をつけていた。小濱審査長は「黒糖の良い香りが出ているものもあれば、花などバラエティーに富んだ香りがあるものもあった」と評していた。近年の傾向としては炭酸割りでおいしく飲めるよう、より香りの引き立つ造りをしているものも見られたという。

 近年は焼酎に限らず、若い世代のアルコール離れが進んでいる中、鹿児島の本格焼酎造りは昨年、ユネスコの世界無形文化遺産に認定された。「奄美の世界自然遺産と合わせて、二つの世界遺産を追い風にしたい」と県酒造組合の田中完専務理事。焼酎全体の売り上げを劇的に回復させる「特効薬」は今のところないが、「飲むだけでなく、食事との合わせ方や、歴史や伝統も含めて味わってもらうことによって、これからの世代に焼酎を伝えていきたい」と語っていた。

 表彰式は2月14日、鹿児島市の城山ホテル鹿児島である。