氷川神社社報第225号に掲載されている横浜DeNAベイスターズお祝い記事と下駄絵馬
門前の大画面には、天気観測情報がずらり
今年の御朱印と花手水の手水鉢
日本唯一の気象神社
年末年始に都内を歩いていて偶然見聞きした奄美にまつわる話題3題をお届けする。1題目は、奄美で春季キャンプを行っている横浜DeNAベイスターズと「日本唯一気象神社」といわれる高円寺駅近くの氷川神社社報掲載の記事の紹介。2題目は、「島魂」(TOUKON=島人たちに受け継がれる祭り)のテーマで島の祭りを撮り続けているカメラマンの黒岩正和さんの話題。3題目は潜水士の資格を持ち、奄美に数回ダイビングに訪れている、いしかわ観光大使を務める田中和明さんの話題。1題目は昨年26年ぶりに日本一となったDeNAと気象神社とのつながりを見つけてびっくり。(永二優子)
JR中央線高円寺駅近くにある氷川神社。気象予報士試験合格者のお祝い会が開かれるなど、気象関係者にはつとに知られている聖地。初詣を兼ねて天気・気象専門書を扱っている津村書店の津村京子さんと10日に珍しい気象神社に同行した。
門前には気象ビジョンの大きなモニターが据えられ、本日の天気内容を詳しくお知らせ。手水鉢には色とりどりの菊の花。思わず「かわいい気配り」と津村さん。共に花手水で清めたあと、テルテル坊主の「照々(てるてる)みくじ」を眺め、御朱印を買い求めた。
窓口に並ぶ氷川神社社報(第225号 2024年12月号)の3ページを開いて驚いた。目に飛び込んできたのは、「祝!横浜DeNAベイスターズ 日本一!!」の文と4枚もの写真。一番大きな写真には「26年ぶりの優勝を決めた横浜DeNAベイスターズ」、続いて大きな写真が下駄絵馬。下駄の形をした絵馬には「“晴天祈願”龍の如く頂上へ!!横浜DeNAベイスターズ」と青ペンで記され、バッグには星印が2個輝いている。絵解きには「気象神社下駄絵馬に託された『頂上へ』の祈願が見事に成就しました」と記されている。
記事によると「横浜DeNAベイスターズのホームグラウンドは『横浜スタジアム』。屋外スタジアムのため試合消化や集客は天気に左右される。そのため、15年から毎年1月に晴天祈願の神事を斎行。昨年の同スタジアムでの試合は晴天に恵まれ、日本一を決めた日は快晴、無風と天気も後押しした」と紹介している。
さらに同チームから沖縄県宜野湾市で行われたキャンプ地に気象神社として招待を受け、三浦大輔監督と宮司の松井美加子さんとのツーショット。「写真を撮った後、『これから奄美に移動します』って、あわてて空港に向かった」とのこと。松井さんは今年の2月から始まる宜野湾市でのキャンプで祝意を伝えに行く予定。まるでわがことのようにページまるごとを使って誇らしげな構成。津村さんと二人で思わず、ほっこり。
編集後記に「高円寺をお天気の町に」という目標に向けて第3回お天気フェス開催中。気象予報士の森田正光さんたちが盛り上げた同フェスに同行した津村さんも参加しており、「気象祭やお天気フェスを行うので、参加してね」と早々に誘われた。
気象神社=1944年4月、大日本帝国陸軍の陸軍気象部(杉並区馬橋地区)構内に造営。軍にとって気象条件は戦略、作戦を講じるのに大事な要素で科学的根拠に基づいた予報がされ、予報的中を祈願するなど、気象観測員の心のよりどころとなっていた。
その後、戦後の神道指令で撤去されるはずの同神社は調査漏れで残存。先々代宮司の山本実氏が受け入れ決断、高円寺氷川神社に遷座されたという。(気象神社御由緒より抜粋)