かごしま女子駅伝 大島 総合4位

総合4位で11年ぶりとなるBクラス優勝とAクラス入りを勝ち取った大島=隼人運動場体育館

11年ぶりBクラスV

 【鹿児島】かごしま女子駅伝(第38回鹿児島県地区対抗女子駅伝大会)は26日、霧島市の隼人運動場を発着点に、国分下井を折り返す6区間21・0975㌔で県下12地区の代表チームによる健脚が競われた。大島は1時間13分14秒で総合4位。第27回大会以来、11年ぶりとなるBクラス優勝とAクラス入りを勝ち取った。

 大島は1区・手島(鹿児島女高・朝日中卒)が3位と好スタート。2区で4位に後退したが、3区以降の選手たちも粘りを見せ、6人全員が区間1桁の走りでBクラス制覇を勝ち取った。

 総合優勝は鹿児島が4年ぶり。2位・姶良、3位・日置と続き、Cクラス優勝は曽於だった。

堂々と4位勝ち取る

笑顔でゴールする大島のアンカー・要田=隼人運動場

「日頃の練習のたまもの」
大島

 「堂々の走りで4位を勝ち取ってくれた」。備秀朗監督が目頭を潤ませながら感無量の表情で総合4位、Bクラス優勝とAクラス入りを勝ち取った選手たちに最大の賛辞を送っていた。

 掲げた目標は「総合5位」「Bクラス優勝」「3年連続躍進賞」。躍進賞は逃したが、総合は一つ上の4位とAクラス入りを果たしてのBクラス制覇と目標以上のものが達成できた。

 1区・手島は序盤、5番手で先頭集団に食らいつく。前を走るのは神村学園高の3人と鹿児島高の1人。4人とも自分が走れなかった昨年の都大路を走った選手だ。昨年と同じ後半勝負のレースプランだったが、昨年以上に「ラストスパート」「3位以内の順位」にこだわり「作戦通り」(手島)3位で2区につないだ。

 2区・白峯、3区・富田の中学生コンビは「思うような走りができなかった」と悔しがるが、4位をキープし、後半の3人に託す。4区・福﨑、5区・備、アンカー・要田、いずれも前回と同じ区間を、前回以上に力強く走り抜けた。

 6人中5人が前回経験者であり、力をつけていることも分かっているから、大会前から備監督らスタッフも自信と期待を持ってレースに臨んだ。どれだけ力があっても想定通りにいかないのが駅伝の難しさだが、想定以上の力を発揮してくれた。

 その要因は「日頃の練習のたまもの」と備監督は力強く言い切る。チームとしてそろうことはできなくても、それぞれの日常の活動場所で、高い志を掲げて鍛錬を積んできた。「大島の選手として走れるのが楽しいので、この駅伝のために練習しているといっても過言ではない」とエース手島は言う。

 レース後は、郷土色豊かで奄美らしい応援を毎年、沿道や競技場で繰り広げてくれる地元・奄美会のメンバーたちと一緒に目標達成を喜んだ。ひとしきり喜びを味わった後「来年は、総合優勝を目指します!」と備監督は力強く宣言していた。(政純一郎)

 

「結果で恩返しができた」

アンカー・要田のゴールを見守る備秀朗監督(右)と聖南(左)=隼人運動場

備聖南(大勝保育所)

 「今まで走ってくれた全ての選手に感謝します」

 父・秀朗監督の10年永続表彰のあいさつを聞いていたら、思わず笑顔がこぼれた。「自分が走り続けていられるのは両親の支えのおかげ。今まで支えてもらったことを、少しだけ結果で恩返しできた」喜びが表情に出た。

 昨年14年ぶりに大島チームに復帰。高校卒業後実業団のシスメックスで約1年半走って以降、10年以上は本格的な競技から離れている。トラックの3000㍍を9分33秒で走れた頃の力に戻るのは難しいが「今できるベストを目指す」気持ちで心機一転、古里で練習に励む。

 「地元の社会人や中学生と切磋琢磨(せっさたくま)するのが楽しい」と実業団時代とは違った走る楽しみを感じている。上原主将や野島(奄美市役所)らと練習後に飲みながら「女子トーク」に花が咲くのが何よりの活力だ。

 一番身近にいる秀朗監督は「駅伝の指導をしている時が一番楽しそう。選手の成長を見守るのがうれしいみたい」と感じる。昨年は同じ5区を11分14秒で9位だったのが、10分21秒と53秒タイムを縮め、3位になることができた。日頃から「私のタイムが良くなったことも喜んでくれる」秀朗監督ならきょうの自分の走りも、きっと喜んでくれるだろう。(政純一郎)

一斉にスタートした1区の選手。大島の手島(12)が区間3位の走りで流れを作った=隼人運動場

地区対抗女子駅伝出走選手ひとこと

 1区・手島凛花(鹿児島女高、朝日中卒) 区間3位で流れを作るチームと個人の目標を達成できた。昨年と同じく終盤までついていって力をためて、最後に勝負という作戦通りに走れた。

 2区・白峯袴羽(和泊中) 3位でたすきをもらえたのに4位に落としてしまった。ラスト1㌔の課題が出て、悔しい結果になった。チームがBクラス優勝、Aクラス入りを果たせたことはうれしい。

 3区・富田愛彩(古仁屋中) 自分は思うような走りはできなかったが、チームが良い結果を出せてうれしかった。前に食らいつこうと思ったがまだまだ練習不足。来年はしっかり練習を続けるよう、精いっぱい走った。

 5区・備聖南(大勝保育所) 1区から良い流れでたすきをつないでくれたので、順位をキープしつつ、前との差を縮めたいと思って走った。昨年よりも身体が動いたので、やってきたことを信じて最後まで走るだけだった。

 6区・要田光春(樟南高、赤徳中卒) みんなが全力で走ってくれて、4位でたすきが回ってきたから、絶対にこの順位でゴールしたいと思った。前の選手が見えなくなっても、自分のペースでリラックスして、島に元気を与える走りを意識した。

 上原千怜主将 感謝しかなく、うれしい気持ちでいっぱい。心から、頑張れ、ありがとう、大丈夫だと思ってみんなの走りを応援していた。苦しい時代があった中でもチームが続いたからこそきょうがある。全てに感謝の気持ちを忘れず、更なる高みを目指してみんなで頑張っていきたい。