徳之島町で「はさみ入れ」

「表年」豊作傾向のタンカンに期待を込めて、はさみ入れで収穫開始をアピール=27日、徳之島町亀津

 

 

 

タンカン 「表年」豊作傾向に笑顔
大玉傾向、糖度は平年比弱

 

 

 【徳之島】徳之島町柑橘生産組合(米原稔組合長、組合員107人)の「徳之島たんかん玉黄金(たまこがね)」収穫開始のはさみ入れ式(町共催)が27日、同町亀津のタンカン園であった。隔年結果の「表年」と重なった大玉傾向による豊作型だが、昨秋の多雨と寒の入りの遅れなど気象要因で糖度は伸び悩み気味。自慢の特産果樹の2月1日以降の本格出荷に期待を寄せ合った。

 同町農林水産課によると、町内の栽培面積は前年より約2㌶増の約80㌶(結果樹面積約50㌶)。「裏年」で、生産量が前期比で半減・不作となった前期から一転、生産見込み量は約350~400㌧に倍増。品質は外観・着色ともに良好だが、糖度は昨年9~11月の多雨と12月の高温傾向により登熟が遅れ、例年より弱い平均10・1度、クエン酸も0・82%=いずれも今月15日現在=と切れが早まっているという。

 収穫開始の「はさみ入れ式」は、タンカン生産歴33年のベテラン幸健一さん(80)=同町亀津=の園であった。生産組合員や行政、窓口受注・発送に協力している日本郵便の関係者ら約30人が参加。例年2月1日に恒例開催してきたが今年は徳之島地域赤土新ばれいしょ春一番の出発式との重複で引き寄せた。

 高岡秀規徳之島町長はあいさつで「関西では〝タンカン・イコール徳之島〟の知名度があるが、関東地区はタンカン自体を知らない消費者が多くPRが必要。後継者対策も一体となって取り組みたい」。米原組合長(70)は「表年に加えて、町農政課や県農業普及課の講習会増による技術向上で収穫量も増えた。(生産者は)適期収穫で品質・評価を落とさない収穫にご協力を」とアピール。

 園主の幸さん(約1㌶・約300本栽培)によると「せん定管理と摘果(50~60%)を徹底している。表・裏の隔年結果はなく毎年生産量、品質ともに安定している」と収穫量の平準化を図っている。

 町によると、収穫・出荷は3月上旬頃までと予想している。