上野逸畔さんの筆遣いに目を凝らす参加者(30日、アマホームPLAZA)
「貪欲に研さんを」
市美展審査員・上野さん指導
奄美書道協会(南隆光会長、会員40人)は30日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)で書道講習会を開いた。奄美市美術展覧会書道部門の審査員・上野逸畔(本名・一範)さん(71)を講師に、楷書・行書・草書など書体ごとの基本や、書に取り組む心構えを学んだ。会員ら22人が参加。個々の作品の添削も行われ、学び多い1日となった。
講習会は、市美展の審査日程に合わせ毎年開催。3年連続講師を務めた上野さんは、鹿児島県書道会顧問、日展会友。「正峰書道塾・書道研究会 逸邑」を主宰し、後進の指導や書道界の発展に努めている。
この日は、「書林」(書道の教本)の課題を基に、縦の線の引き方や、横へのハネなど楷書の基本から学びは始まった。上野さんは「楷書は書けば書くほど難しい」と話し、丁寧に筆遣いや文字のバランスなどを教えていた。
草書については「基本は動きとリズム。見本を見るのではなく、自分の気持ちで一気に書き切ることで文字が生きてくる」などと伝えていた。
書道が生きがいだという同市名瀬の清正妙子さん(74)は「(文字を続き書きする)連綿や疎密(文字が密集する部分と余白が生まれる部分)の指導を受けたが難しい。高名な先生の指導はありがたい。ほかの人の作品を見ることも勉強になる」と話した。
上野さんは「〝字書きは恥をかきなさい〟と言われる。(上級者からの)アドバイスを受け、貪欲に研さんを積み重ねていくことで上達する」と語り掛けた。