徳之島地域「春一番」出発式

高品質出荷や共販目標達成へ「がんばろう」三唱で決意を示した「徳之島地域赤土新ばれいしょ・春一番出発式」=1日、伊仙町総合体育館

病害虫防除・ほ場選果徹底を
推進目標は「1万㌧・20億円」

【徳之島】2025年産徳之島地域「赤土新ばれいしょ・春一番」の出発式(同春一番連絡協議会、JAあまみ徳之島・天城両事業本部主催)は1日、伊仙町総合体育館であった。主要青果市場の代表らも迎え「定時・定量・定質」出荷による共販目標「1万㌧、20億円突破。ブランド産地の誇りを持ち、消費者に信頼される産地に」などを確認。テープカットや「がんばろう」三唱で決意を示した。

徳之島3町の組合員農家や同JA、県・町行政、本土青果会社(15社)の関係者など約300人が参加。開会あいさつで春一番連絡協の重原成一朗会長(同JA徳之島地区野菜部会長)は「丹精を込めて育てた春一番がいよいよ出発する。ほ場での1次選果を徹底して品質維持を」。同JA徳之島事業本部の平山正也統括理事も①病害・疫病防除②ほ場選別③適期収穫・出荷④共販出荷による「定時・定量・定質」の3原則の徹底―を呼び掛けた。

県側(八木修治徳之島事務所長)が徳之島、天城両地区園芸部会長にそれぞれ17年目となる「かごしまの農林水産物認証制度(K―GAP)」認証(知事)を伝達披露。消費者に信頼される安心安全な「春一番」の生産出荷の徹底もアピールした。JA側からは徳之島3町の各学校給食センター食材用の「春一番」の贈呈が披露された。

大久保明伊仙町長と窪田博州同JA組合長の祝辞に続き、JA県経済連の片山修野菜振興課長が情勢報告。県全体の今期の出荷計画は1887㌶(前期比40㌶減)の3万6662㌧(1100㌧増)。JAあまみ地区は雨の影響で植え付けが全体的に遅れ傾向となった後、干ばつや鳥害もあり本格出荷は3月と予想。しかし、根占地区との出荷量競合も考えられ「2月中の出荷努力」も求めた。

青果会社を代表して東京青果㈱と名古屋青果㈱の代表があいさつ。「春一番のブランドを消費地は待ち望んでいる。生産資材などの高騰が続く中、少しでも高値販売できる努力したい」などと有利販売を約束した。

これら情勢も踏まえた同JA「春一番」の今期共販計画は、▽徳之島事業本部(徳之島、伊仙両町)=280㌶(前期実績比1㌶減)、4500㌧(642㌧増)▽天城事業本部=185㌶(5㌶増)、3300㌧(155㌧増)。3町計465㌶(4㌶増)、7800㌧(797㌧増)だが、産地推進計画(共販達成目標)には「出荷量1万㌧、販売額20億円」を掲げた。

生産・販売に向けては、①適期収穫に努める②疫病・軟腐病など病害虫防除(予防)や防風ネットを設置し、良質品を出荷する③ほ場選別を徹底し、選果場のスムーズな運営と選果経費の削減に努める④定時・定量・定質の出荷・選別に努め、春一番の銘柄を確立する―など6項目を確認した。

関係機関・団体の代表10人によるテープカットに続き、「がんばろう」三唱で気勢を上げた。