人口6千人台維持

今月10日に町制施行50周年を迎える龍郷町。人口は50年前と同じ6千人台が維持されている(町役場庁舎)

今月町制施行50周年の龍郷町
国道沿い集落 周辺自治体から移住

 1975(昭和50)年2月10日に町制を施行した龍郷町は今月10日、50周年を迎える。50年前の人口は6220人(国勢調査統計)、現在は6014人(2024年12月末現在の住民基本台帳)で、50年が経過しても6千人台を維持している。奄美群島の他の自治体に比べて人口減少の動きが鈍く、国道沿いの集落には周辺の自治体から移り住む世帯が多い。

 5年に一度行われる国勢調査で同町の人口の推移をみると、町制施行5年前の龍郷村だった70年は6610人。町制施行後の75年以降は80年6136人、85年6183人と推移。90年、95年には6千人台を割り込んだが、2000年、05年は再び6千人台を維持しており、その後は再び5千人台で、5年前の20年は5817人。

 町はホームページや町内全世帯に配布している広報誌に毎月の人口を男女別で掲載している。これは住民基本台帳に基づく人口で、23年度(4月から翌年の3月)の毎月の人口をみると、ちょうど6千人だった12月以外は5900人台で推移。24年度は、4月は5932人と6千人に達しなかったが、5月(6006人)以降毎月6千人を超えており、最多は6月の6028人。最も新しい昨年12月末現在を前年比でみると21人の増加で、男女別は男2897人(13人増)、女3117人(8人増)といずれも増加している。

 町制施行から50年が経過しても6千人台を維持していることについて町総務課は「埋め立てにより住宅地が整備され新たな集落の誕生(玉里集落)、さらに県営住宅を3か所に誘致したことで居住の受け皿が整えられたが、最も効果が大きいのは1986(昭和61)年の本茶トンネル開通ではないか。国道沿線の中勝、大勝、浦、赤尾木の各集落には龍郷町周辺の奄美市名瀬、同笠利地区から移り住む人が多く、いずれの集落も町内で人口が多い地域となっている」と説明する。

 移住理由として空港や港いずれにも近く、沿線周辺には商業施設が多くあり、職場となる事業所の多い名瀬に近いなど居住地域としての便利さだけでなく、子育て支援の充実を挙げるという。子ども医療費助成では0歳から高校3年生相当年齢(満18歳到達後の最初の3月31日まで)の費用を全額支援(無償化)しているほか、高校生などのバス通学費も無償化しており、「この施策に魅力を感じて周辺から龍郷町に移住するという子育て世帯の声がある」(同課)。今年4月からは小中学生対象の学校給食費も保護者負担ゼロの無償となる。

 なお、町制施行50周年記念式典と祝賀会が今月16日にあり、前日の15日には前夜祭が予定されている。