弦楽四重奏によるミニコンサート。最前列の子どもたちも熱心に聴き入った(8日、大和村体育館)
シマ唄とクラシックの融合をテーマに開催する「第3回ほこらしゃ奄美音楽祭」は9日、奄美市名瀬の奄美川商ホール(奄美文化センター)で本番を迎える。同実行委員会は8日、良質なクラシック音楽を身近に届けようと、プロ演奏家による弦楽四重奏ミニコンサートを2会場(宇検村、大和村)で開いた。大和村の会場となった村体育館には村内外から約80人が訪れ、プロが奏でる心地よい調べに耳を澄ませた。
出演したのは、同音楽祭でコンサートマスターを務める真部裕(まなべゆう)さん=バイオリン=、第1バイオリンの金子昌憲さん、ビオラの長石篤志さん、奥泉貴圭(たかよし)さんの4人。いずれも国内外で音楽活動をしている。
演奏家と観客の距離が近く、アーティストのパフォーマンスを身近に感じることができるミニコンサート。最前列には小さな子どもたちが座り、普段なじみの薄いクラシックの演奏を楽しんだ。
オープニングは、モーツァルトの「ディベルティメント」。「嬉遊曲」と訳されるこの曲を、曲名そのままに楽しく演奏し、観客の大きな拍手を浴びた。
真部さんがジャズの要素を入れ編曲したという「アンパンマンのマーチ」や、ビートルズの「レット・イット・ビー」などの演奏では、目を閉じ聴き入る観客の姿も見られた。
バイオリンの奏法の説明もあり、金子さんがビブラート(響きを豊かにする)やスタッカート(音を素早く切る)など、プロのテクニックを実演した。
約40分の演奏を楽しんだ奄美市の30歳代の女性は「本物の音が間近で聴けた。楽器や奏法の説明も分かりやすく楽しめた」と満足そうに話した。
会場近くの大和浜から一人で来たという大和小2年の直島秀之心(ひでのしん)君(8)は「ピアノを3年間やっているので興味があった。バイオリンにいろいろな音の出し方があることを知ったのでやってみたい。ピアノの演奏でも工夫する」と話した。