大人も集える憩いの場へ

食事スペースから遊び場まで憩いの場所づくりが図られた「どぅしくぅわ食堂」(8日、奄美市名瀬)

医師ら有志が子ども食堂再開
奄美市名瀬

 奄美市名瀬の生協会館で8日、医師や看護師ら医療従事者らによる地域子ども食堂「どぅしくぅわ食堂」が開かれた。約6年ぶりに再開された会場には食事スペースのほか遊び場や勉強、マッサージコーナーも設置。大人から子どもまで自由に集える憩いの場に家族連れら約80人が来場した。

 奄美医療生活協同組合「どぅしくぅわ食堂」運営有志の会主催。奄美中央病院の職員らで構成され、発起人で内科医の堀部碧(みどり)さん(38)とソーシャルワーカーの太田友美さん(42)を中心に、コロナ禍などで中断した2019年以来の開催となった。

 この日は地元商店が提供する米などを利用し、カレーライスとフライドポテト、ゼリーなど約100食を用意。4日に結ばれた同病院とNPO法人フードバンク奄美との合意書に基づき譲渡された、菓子や飲料水なども子どもたちに配られた。

 ほかにもバルーンアート作りやテーブルゲームなど遊び場、書籍が置かれた勉強スペース、OB職員による施術も提供。「『ねばならない』から自由になれるサード・プレイス(学校や職場以外の居場所)になれば」(堀部さん)とする各企画に約20人の関係者がボランティア活動に当たった。

 奄美市名瀬の恵佳和さん(46)は息子の琥太朗君(8)と龍之介ちゃん(5)と来場。「食事だけでなく広い遊び場もあり、校区が異なる子どもたち同士の交流が見られて良かった」と話した。

 2017年の食堂立ち上げ時から携わる太田さんは「コロナ禍もだが、職員の勤務状況や異動などの理由で中断してきた。今回の再開を機に担い手が続いてくれれば」と語った。