徳之島世界遺産センター

徳之島世界遺産センター「来館1万人目」となった藤岡陽一郎さん(左から2人目)=11日、徳之島町花徳

開館41日間で「1万人」達成
「自然保護に協力したい」

 【徳之島】「奄美大島、徳之島、沖縄北部及び西表島」世界自然遺産に登録された徳之島の価値を伝え、その豊かな自然環境や魅力を発信するため環境省が設置し昨年12月22日に開所した「徳之島世界遺産センター」(徳之島町花徳)は11日午後、来館者数が1万人に達した。

 「徳之島リビングミュージアム」をコンセプトに、同島の生物多様性や雄大な自然の魅力を伝えつつ、訪れる人々の「居場所となるくつろぎの空間」を提供。島の自然環境を六つにゾーニングして約150種をジオラマ展示した「いのちのにぎわい箱庭」をはじめ地形環境の360度映像なども展示。

 ほか、家族連れで過ごせるキッズスペースや授乳室、トイレ、ソファー、テラス、ワークショップスペース、読書空間なども整備しているのが特長。木造平屋建て延べ床面積449・78平方㍍。同敷地内には徳之島町「道の駅とくのしま」も同時オープンした。

 来館者1万人のキリ番を踏んだのは天城町大津川、元バスドライバー藤岡陽一郎さん(73)。妻や親戚と徳之島町母間でヒカンザクラを花見後、初めて入館してその告知を受けた。「びっくりした。世界自然遺産になったことは素晴らしい。自然保護に協力していきたい」と藤岡さん。同島固有種の「オビトカゲモドキ」「タニムラアオイ」イラストの同館ロゴ入りのトートバッグと巾着、職員ら手作りのアレンジフラワーが贈られた。

 同遺産センター管理運営協議会の中島美和事務局長(46)は「島内の方々にもあらためて島の自然の良さを知っていただけていると思う。機会があったらぜひフィールドにも出かけていただきたい。企画展も検討したい」

 環境省徳之島管理官事務所の大谷彗(けい)国立公園管理官(30)も「今後も多くの方々に親しまれるよう現在来館者アンケートも実施中。回答内容を踏まえ今後のイベントなども企画したい」とした。

 同日午後5時までの計41日間の入館者総数は1万112人(1日あたり平均247人)だった。

 開館時間は午前9時~午後5時(最終入館同4時半)。休館日は平日火曜日と年末年始。入館無料。問い合わせは電話0997・84・0726。