連絡会議では、新たな課題としてノヤギ問題などが取り上げられた(12日、アマホームPLAZA)
「2024年度奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島世界自然遺産地域連絡会議」(環境省など主催)が12日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であった。鹿児島・沖縄両県、市町村、民間団体などから関係者約100人(オンライン含む)が参加。奄美大島の各自治体の首長からは、世界自然遺産への新たな脅威になりつつあるノヤギ対策を求める声が相次いだ。
同連絡会議は、世界自然遺産地域の保全・管理を推進するため16年に設置。同時に四つの地域部会(奄美大島・徳之島・沖縄島北部・西表島)が設けられ課題解決に取り組んでいる。
各地域部会の取り組みが報告され、奄美大島からは、22年の初確認から続く外来のソテツシロカイガラムシの現状、徳之島からは83地点で分布が確認され防除作業が続けられているシロアゴガエルに関する報告があった。
安田壮平奄美市長からソテツシロカイガラムシの新たな防除手法について質問が挙がり、県は「認可されていない薬剤の登録申請を図っている」と答えた。
大和村の伊集院幼村長と宇検村の元山公知村長は、ノヤギ対策について問題提起。5市町村による害獣駆除では効果が薄いとして、発生源(ヤギの飼育者)対策を求めた。
官民で環境保全に取り組む世界自然遺産推進共同体や、大和村の国直集落で地域文化に特化した観光ツアーを運営するNPO法人TAMASU(中村修代表)などの活動報告もあった。
市町村報告で宇検村は、アマミノクロウサギの交通事故発生が多い県道79号線須古集落から部連集落の約3㌔区間に、カラー塗装を施す「アマミラビットロード」を設置すると発表した。民間企業からの寄付金を活用する。