2歳児から99歳まで計31人が熱演した「島口劇」=15日、伊仙町
【徳之島】2024年度伊仙町「しまぐちつこわーデー(島口使う日)」発表会(町教育委員会・文化協会主催)が15日、同町ほーらい館であり、約150人が来場した。児童生徒「しまくとぅば(島口)川柳」コンクール表彰、幅広い世代の島口劇や島口研究発表、島口漫談、伝統芸能など舞台発表で交流。消滅危機にある島口(方言)文化の保存・伝承の必要性を再認識し合った。
同町は大島地区文化協会の定めにも沿って2016年、毎年2月を「シマグチ月間」、同月18日を「シマグチの日」と定めた町条例を制定。18日前後に幅広い世代が「シマグチ」に触れ親しむ同イベントを継続している。
町文化協会の福清千美子会長の島口あいさつや役員らの島口バージョン「伊仙小唄」合唱で開会。「しまくとぅば川柳」コンの学年別最優秀賞に輝いた4人がそれぞれ句の朗読を披露した。
舞台発表の島口劇には、徳之島福祉会の保育園児(2歳)から上は町田ハルさん(99)まで17人が登場。今年の干支(えと)にちなんだ「マジュン(ハブ)」や米作の作況占いなど伝承も絡めてミュージカル風に熱演。豊年祈願行事「犬田布イッサンサン」育成会の小学生ら14人が「イサンボー」(招福のかかし)を掲げて合流して会場をさらに和ませた。
徳之島高校2年生の森稀恋(まれん)さんらは「総合的な探究の時間」で消滅危機にある島口を地域課題に共同研究した。おなじみの3曲を替え歌にした「島口覚え唄」も紹介。アンケート調査結果を基に「小・中学生の約6割は島口に興味がある。日常で島口を使わない割合は85%。『島口覚え唄』で使いやすい単語や、面白い単語を広めていくことで、使いたい人も増えていくと思う」とアピールした。
ほか、川戸こえみさん(目手久)の「島口漫談」パフォーマンス、民謡保存会・鹿浦小学校一行の島唄・三味線も大好評だった。
【しまくとぅば川柳最優秀賞】▽小学低学年 迫田昇(面縄小2年)▽同中学年 盛紗彩(同4年)▽同高学年 町田愛奈(阿権小6年)▽中学生 仲矢七海(犬田布中1年)