奄美市「産業ふれあいまつり」

地元で生産された新鮮野菜の販売には多くの購入者の列ができた(16日、名瀬中央青果敷地内)

高騰反映 新鮮野菜人気
農林水産業「可能性大きい」

 2024年度奄美市「産業ふれあいまつり」が16日、奄美市名瀬長浜町の名瀬中央青果市場であった。早朝からの降雨でも大勢の来場があり、キャベツなど葉物を中心に野菜価格の高騰が続く中、地元で生産され新鮮野菜を次々と購入する市民の姿が見られた。

 午前9時からの販売開始を前に実行委員長の安田壮平市長があいさつ。「農林水産物や加工品の出展により生産者と市民(消費者)の絆が深まる場となる。第一次産業はエネルギーや資材費の高騰、後継者不足で厳しい状況だが、農業では若手農家が育つなど可能性はまだまだ大きい」と述べた上で、「奄美の食を守り、その恵みを享受していることに感謝したい」と語り、農林水産業・加工産業の発展を願った。

 会場に設けられたブースは11。購入者の列ができにぎわったのは農産物の販売コーナーで、キャベツやブロッコリーなど野菜が人気。名瀬小浜町から駆け付けた芦田時子さん(76)は「スーパーなどで販売されている野菜は高くて手が出ない。ここのは新鮮でしかも安い」と話し、購入したフダンソウについて「茎と葉の部分は別々に調理する。豚肉と一緒に炒めると、とてもおいしい」とにこやかに説明した。農産物や海産物、加工品以外では木工品(椅子など)の展示販売、昔のおもちゃづくり・遊び方体験、農林水産省門司植物防疫所名瀬支所による奄美群島から持ち出せない植物と病害虫の紹介、奄美高校商業科による生徒自身が仕入れたお菓子や食べ物販売もあった。

 豪華賞品が当たるお楽しみ抽選会も。実行委員会事務局の市農林水産課によると地産地消推進協議会で購入したタンカン良品5㌔箱を16箱準備したほか、充電式インパクトドライバー、コーヒーメーカー、防災グッズなどの賞品が並んだ。同課職員は「毎回800人ほどの来場がある。天候の影響が心配されたが、今年も多くの市民が駆け付け開催できたのは喜び」と述べ、活況に手応えを感じていた。