会場の心を一つに結び楽しませた徳之島混声合唱団第25回記念定演=15日、徳之島町文化会館
【徳之島】徳之島混声合唱団(蔵本正史団長・団員25人)の第25回記念定期演奏会が15日夜、徳之島町文化会館ホールであった。島外団員や賛助出演団体も交え混声合唱のための唱歌や「昭和百年」にちなんだ昭和の名曲メドレー、ご当地ソングなど多彩なジャンルのハーモニーで約300人の観客を楽しませた。
同混声合唱団は1999年6月、蔵本団長を中心に音楽好きの幅広い世代で結成。「われ歌う ゆえにわれあり 合唱なくして 何の人生ぞ」をモットーに合唱のある生活を共有。2000年12月に初コンサート、09年1月に10周年記念定演、20年2月に第20回同。日頃は、戦没者慰霊祭や各種演奏会への賛助出演など地域イベントも盛り上げている。
第25回記念定演は団歌「この場所で一緒に」(餘慶暁徳之島高音楽部顧問作曲、同合唱団作詞)で開演した。第1部(混声合唱団のための唱歌メドレー・ふるさとの四季)では、おなじみの「ふるさと」や「春の小川」など。第2部(耳慣れた名曲の数々)は「樟南第二合唱団」と徳之島高音楽部員たちの賛助出演や男声、女声それぞれのハーモニーでも魅了。元文部省唱歌「わかば」(松永宮生作詞=伊仙町出身)や「徳之島小唄」の全体合唱。第3部(昭和の名曲の数々)は合唱曲・アニメ・歌謡曲メドレーで和ませた。
蔵本団長(76)=同町亀津=は「当初の団員数は50人超だったが、ソプラノ・アルト・テノール・バスが1人ずつの計4人に激減したことも。東教子団員(元・尾母小中教諭)が同僚職員やPTA会員を(団員に)連れてきて持ち直し今日がある」とも述懐。幅広いジャンルの開拓などレベル向上の評に、「25年間の〝蒸留の成果〟と言ったら身の程知らずだが、団員が減らないようにしたい。島はカラオケ好きの方は多いが、合唱は少ない、特に男性が。引き続き募集したい」とにっこり。
鹿児島市在住の島外団員の一人・神田朝也さん(46)=元亀津中・同小教諭=は「2017年から7年間過ごした大好きな徳之島に、まだ自分の居場所があった。島の人々の明るい笑顔がすごくすてき。将来またここで働けたらと思う」と笑顔を輝かせた。
観客の一人・福田明美さん(60代)=同町亀津=は、「ふだんは合唱を直接間近で聴く機会は少ない。心を一つにみんなで歌う〝声の輪〟の合唱の魅力を感じた。25年余も続くことは素晴らしい。私自身も参加してみたい」と話した。
毎週木曜日午後8時~同10時、亀津中学校音楽室で練習。「経験者でも、初心者でも、お子様連れでもどなたでも気軽にどうぞ。歌が好きな方なら年齢性別も問いません」と蔵本団長。問い合わせは同団長(電話090・1972・8660)。